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銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
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77.嬉し泣き

神帝の御前を辞したガイは、シルフィーナのもとに駆け付けた。

シルフィーナはアレクシウスに抱きかかえられてガイを待っていた。

ガイを見つけるとシルフィーナは何も言わず腕をガイに向かって伸ばし、抱っこをせがんだ。

ガイが飛び込むようにアレクシウスからシルフィーナを奪い抱きしめると声が漏れた。

「クッ!」

ガイをギュッと抱きしめたシルフィーナは

「ガイ、泣かないの、いい子だから、もう泣かないのよ」

と言ったが、ガイからまた声が漏れた。

その様子を見ていたフローリアがアレクシウスに提案した。

「お兄様、当面の間この二柱は私の城で預かります。連れて帰ってよろしいかしら?」

「ああ、一緒に送ろう」

そういうとアレクシウスとフローリアは抱き合っている二柱に触れ、スッと消えた。


ラナダ王国のシルフィーナとガイがいつも使っている部屋に戻ると

「ゆっくり話をして、沢山眠るのよ、また様子を見に来るから」

と言ってフローリアとアレクシウスは消えた。

シルフィーナはガイに抱きしめられたままガイの頭を撫でてあげていた。

神界でもアレクシウスとフローリアが神帝と話をしている間もガイに抱きしめられ頭を撫でてあげていたが、意外に短時間でガイが神帝に呼ばれ、文字通り泣く泣くアレクシウスにシルフィーナを預けて御前へ向かった。

いつも寝るときはガイには縦抱きと言うより斜め抱きにしてもらっているが、今の体勢はシルフィーナ横抱きにガイが覆いかぶさっていて、シルフィーナの胸の外れでガイの頭がむせび泣いている。

「ガァイィ、がぁいぃ・・・、私の泣き虫ガイー。そろそろ泣き止むかしらぁ?ガイの主はぁ、ガイと接吻したいわぁ。いつになったらぁ、接吻してくれるのかしらぁ。私の泣き虫ガイィ、お前の主はお前の接吻を待っ」

やっと接吻がやってきた。

ガイの涙に濡れた頬が鼻に当たる。

やってきた接吻はなかなか終わらない。

ガイの気が済むまで待つことにした。

かなり長い接吻がようやく気持ちが落ち着いたのか終わった。

その隙に

「ガイ、顔を見せて、私のガイ、心配かけたわね、ごめんね、もう大丈ブッ」

喋り出した言葉はガイの再びの接吻で無様な音を発して終わった。

シルフィーナはガイが落ち着くまで、もうしばらく待つことにした。


一方、アレクシウスはフローリアにもう怒られることは無かった。

「ただし、お兄様、シルフィーナに関しては、これからは私にまずは相談してくださいませ」

「分かった。お前にまだ言ってないことがある。シルフィーナの定着先だが、うちの近衛騎士団団長の家に決まっている。これは紹介したのは俺だが、シルフィーナがやたらと気に入り、あの子の強い希望だ」

「分かりました」

「定着時には俺が行くとシルフィーナに言ってあるんだが、構わないか?」

フローリアの眉がピクッと動いたので、アレクシウスは一歩引いた。

「いえ、私が行きます。お兄様にお任せなんて、とんでもない!」


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