75.処分
「シ、シルフィーナ様!」
ガイが叫ぶとすぐにフローリアが
「控えろガイ、神帝の御前である」
ガイは膝間づいたまま頭を低くした。
ガイの声が聞こえたのか、聞こえなかったのか、シルフィーナは少しボーっとして神帝の腕に抱きかかえられていた。
「やはりもう少し眠った方が良い気がすがの、起きるか?」
優しく神帝が声をかけるとシルフィーナは頷いた。
神帝はシルフィーナの額に指を当てるとシルフィーナの体が眩いばかりに輝いた。
「これで良いな、どこにも不調は無いようだ。立てるか?」
シルフィーナは立ち上がったら、すぐに座り込んでしまった。
それを見たアレクシウスが御前に進み出て、シルフィーナを抱き上げ、ガイの元へ向かった。
「ガイ、お前の女神だ。抱いて少し下がっていろ、私とフローリアは神帝と話がある」
ガイは、震える手でシルフィーナを受け取った。
神帝の前だというのにシルフィーナをギュッと抱きしめ泣き出した。
フローリアが神技でシルフィーナとガイを少し離れたところに別室を作りそこへ送り込んだ。
「父上、ご処分を」
アレクシウスは堂々とした態度で跪き申し出た。
「うむ、殊勝な態度、さすが神だな、アレクシウス」
アレクシウスはぶかぶかと頭を下げた。
「申し渡す、アレクシウス、お前には今後1000年シルフィーナと交わることを禁ず。お前の神族は今後一切シルフィーナと交わることを禁ず、尚、日常の交流は許可する、以上である」
「ははっ」
その様子を冷めた目で見ていたフローリアは神帝に問いかけた。
「お父様、シルフィーナの原因はお分かりになったのですね」
「うむ、処分の通りじゃ、アレクシウスの神族との交わりが本人の意識せぬところで引っかかっておった。それが原因となり自分の感情を無意識に抑えていたところ神力が漏れ出した、と言うことだ」
「憑依の件は?」
「それには障害が無かった。よって乗り移った人間との相性が悪かったと判断した。シルフィーナには今後神従か相性の良い人間のみに憑依するよう言いつけた」
「分かりました。では、もう心配はないということですね」
「うむ、但し、今回の眠りは原因探しでかなり疲れが見える。もうしばらく回復の眠りが必要だと判断する。ゆっくり寝かせてやってくれ、フローリア」
「かしこまりました」
「お前には迅速な対応をした褒美を取らせねばな。何が欲しい?神使を増やすか?」
「今は何も思い浮かびませぬ。シルフィーナのことで頭がいっぱいです故」
「そうか、思い付いたらいつでも言って来るがよい。アレクシウス、フローリアお前たちのおかげでアベルとルーカスの定着は続行できる。シルフィーナの楽しみを守ってくれて感謝するぞ」
二柱は深々と神帝に頭を下げた。
「ガイと話は出来るかの?アレクシウス、ガイを呼んでまいれ。シルフィーナはお前がその間預かれ。フローリア、お前はガイについてここに居てくれ。あやつ一柱だと、緊張して儂の話が抜け落ちそうだからの、ほほほ」




