67.意外な提案
アレクシウスはシルフィーナの目覚めを待っていたが、やはりなかなか起きなかった。
ガイも一緒に宙に浮きながら眠っていたが、先に目覚めたガイは静かに女神の目覚めを待った。
シルフィーナをガイに返した日の夜にアレクシウスは様子を見に行ったら、ガイは起きていたので
「シルフィーナが起きたら話があるので連れてきてほしい」
とだけガイに伝えた。
次の朝、ようやくシルフィーナが目覚めた、丸一日眠っていた。
「お目覚めですか?」
ガイのいつもの目覚めの確認の答えは、ガイの首筋への接吻である。
「がぁいぃ・・・」
「はい、ガイです」
まだ目がはっきり覚めていない様なのに、起き上がりガイの顔中にも接吻を落としてきたと思ったら、顔を覗き込んで
「泣いたでしょ?」
と言った。
そんな丸一日も前のことなのになぜわかるのだろう。
「はい、少し声が漏れてしまいました」
何も言わず、頭をなでて、ギュッとしてくれた。
「さあ、お兄様に朝の挨拶に行きましょう」
まだ朝が早い目だったので、兄は人払いをして神従たちと朝食中だった。
「お兄様、おはようございます」
「おはよう、俺の可愛い妹、気分はどうだ?」
「まだまだ眠れますわ、ふふふ」
神従同士が顔を見合わせた。
「お前に話がある、この間の俺を最後にお前からの女神の愛を止めようと思う」
「あらら」
あまりにも意外な提案だったのだろう、かなりびっくりしたようだ。
「理由は、俺はこの間お前の神力の減りを計っていた。かなり異常な減り具合だと思う。この減り具合から見て俺たち四柱への女神の愛はお前への負担が大きすぎると判断した。よって女神の愛は、終わりにする」
「・・・はい、分かりました。」
意外にあっさりと承知したのは、ガイが一番驚いたのかもしれない。
「お兄様、二柱でお話がしたいわ」
兄が頷くと、神以外の神族は部屋を出て行った。
「おいで、シルフィーナ」
そういうとアレクシウスは膝の上に妹を乗せた。
「お兄様、ガイが泣いたのね」
「ああ、お前をベッドに迎えに行かせたら、嗚咽が聞こえた。押し殺したのに漏れた嗚咽だ。それで決めた。お前の神力の異常な減り方も心のうちにガイのことを考えていたからだろう。無理強いをしてた。済まなかった。ガイにも済まなかった」
シルフィーナはゆっくり首を振った、女神にとっては当り前のことだったのだが、上手く調節が出来なかった事を恥じた。
「お兄様のご期待にこたえられなくて申し訳ございませんでした。私たち、この城を出て行きますわ」
「いや、この城に居て欲しい、お前たちが嫌でなければな、ジーンはもっとガイと仲良くなりたいそうだ。俺はお前がたとえ女神でなくても可愛い、ここを拠点にアベルとルーカスを見守ると良い。2年後のお前の定着は俺がやろう」




