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銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
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66.嗚咽

早朝、アレクシウスがリビングに出てきてガイに声をかけた。

「ガイ、お前の女神は、俺に女神の愛を授けて先ほど眠った。俺の抱っこは体が細くて気に入らないそうだ。お前が抱っこして寝かせてやってくれ」

「はい、かしこまりました」

「それと神力を注入した。気を付けていてもやはり、減るな。あいつも進んで来ているわけではないのが影響しているのかもしれない。今後のことはきちんと考える。ガイ、すまん」

ガイは深々と頭を下げ神使の礼を取った。

アレクシウスがリビングのソファーに腰を下ろすと、ガイは寝室へ入っていった。

アレクシウスの広いベッドでシルフィーナは眠っていた。

何度体験しても務めを終えたシルフィーナを迎えに来るのは、心が苦しい。

知ってか知らずか、シルフィーナは抱き起されると眠っているのに当り前のようにガイの首に腕を回す。

起こしてはいけないと思うのにギュッと抱きしめてしまう。

「ううっ」

嗚咽が漏れてしまった。

シルフィーナを抱っこしたままリビングに戻り、暇の挨拶をしていつもの部屋へ下がった。

それを見送ったアレクシウスはジーンに神従を呼びに行けと命令した。

慌てて出仕した自分の神族に考えを伝えた。

「今週をもってシルフィーナの女神の愛は終わりにしよう」

神族たちは一瞬ざわついたが、アレクシウスの言葉の続きを待った。

「理由は、どうやらシルフィーナが俺たちへの女神の愛は乗り気ではないようだ。神力の減り方が異常だ」

「確かによくお眠りになられておられます」

「あの神力の減り方は多分ガイへの気づかいだと思う。ジーン、さっきガイがシルフィーナを部屋へ迎えに行ったときガイの嗚咽が聞こえたのに気が付いたか?」

「・・・はい」

「あの冷静なガイが泣いていたのか?」

グイドが驚いたようだ。

「いや、確かにいい気分ではないと思う、自分の女神を俺たち4柱が・・・」

ダーレンが言葉に詰まってしまった。

「シルフィーナは自分が俺たちの所に行ったらガイが辛い思いをしていると知っているのだろう。あの二柱は俺たちには言わないが、俺たちはあの二柱にはとんでもない仕打ちをしているのは間違いない」

「・・・はい、そうですよね」

「そこで今週はあいつらには申し訳ないが俺たちに付き合ってもらって、シルフィーナの神力の減り方を注視しよう。そして、これで、終わってあげてくれ、勝手を言うが、頼む」

神が神族に頭を下げた。

慌てた神族は口々にアレクシウスへ

「アレクシウス様、お止めください」

「私もアレクシウス様のご意見に賛成でございます、今週も取りやめになっても構いません」

「私たちはシルフィーナ様の笑顔を拝見したいしガイとも仲良くしたいのです。アレクシウス様のご意見に賛同いたします」

神族を見渡したアレクシウスは

「みんなありがとう、俺は良い神族を持ったと思うぞ、妹の為に、ありがとう、では、今週から取りやめで良いな」

全員が頷いたので、シルフィーナが起きたら伝えることにした。


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