65.女神のお側に
アレクシウスのところに戻るギリギリになっても、シルフィーナはガイに抱っこされ眠っていた。
ガイも夜中シルフィーナにたくさんの接吻と抱擁をしてもらい、気持ちの良い抱き心地に埋もれながら明け方に眠った。
「シルフィーナ様、そろそろアレクシウス様の所に移動しましょうか?」
「・・・うん、ガイに・・・ませる・・・」
起きそうにないので、抱っこしたままアレクシウスの所に移動することにした。
スタニラスガ王国の王城上空まで一気に飛ぶとアレクシウスの神気が王城から輝いているのが分かった。
アレクシウスの私室のリビングには、第二王子アレクシウスとその従者グイドとダーレン、神使のジーンのみが居た。
「アレクシウス様、ただいま戻りました」
シルフィーナを抱っこしたままなので神使の礼が取れなかったが、咎められなかった。
「なんだ、シルフィーナは眠っているのか?神力不足か?」
そういうとアレクシウスは椅子から立ち上がり、シルフィーナの元に歩いて来た。
「いえ、夜更かしをして遊んでおりましただけですので、神力は足りております」
ガイの背後に回り、シルフィーナの顔を覗き込み額に手を当てて神力を注入してみたが、確かにそれほど減っていなかった。
「シルフィーナ、シルフィーナ、俺だ、アレクシウスだ」
「・・・う~ん、がいぃ、なに?」
「アレクシウス様の元に到着しました、兄君にご挨拶をなさってください」
ふわっと目を開けいつものようにガイの首筋に接吻をしてたらガイがそう言った。
「おにいさま?」
「お!起きたかシルフィーナ、こっちへおいで、俺が抱っこしてあげよう」
と手を出したら、シルフィーナも手を伸ばしたのでガイはアレクシウスにシルフィーナを渡した。
まだ完全に目が覚めていないようだが、今回はアレクシウスを認識して抱っこされたのだから叫ばないだろう。
「ガイ、このままシルフィーナを一晩貸してくれるか?無理強いはしない、俺の大切な妹だからな」
「御意にございます」
「今日は休む、皆、ご苦労であった」
そういうとアレクシウスはシルフィーナを抱っこしたまま寝室に入って行った。
一同は礼を取り、それを見送った。
「おにいさま、がいより、ほそいわ」
「ははは、16歳だからな、まだ目が覚めないのか?起きて俺の相手をしてくれないのか?」
「おきます、きょうは、おにいさまの、たんとうなのですね、めがみのあいのひかしら?」
「そうだな、もうお前が恋しくてたまらない。女神の愛を授けてくれるか?」
アレクシウスの首にギュッとしがみ付いた。
「もちろんよ、お兄様」
「大分目覚めて来たな、接吻もしても良いか?」
リビングのガイにジーンが話しかけてきた。
「ガイ、この間は済まなかった、お前におとがめは無かったか?」
「ああ、無かった、特にこの一週間はとてもご機嫌がよく、楽しそうに過ごしておられた」
グイドもガイに声をかけた。
「俺とダーレンは自室に戻る、ドアの外に近衛が居るが、お前はジーンとここに居るか?」
「ああ、シルフィーナ様のおそばを離れると、またお怒りになるから、俺はここに居る」




