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銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
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55.ジーンの場合

翌朝、ガイは実に丸一日眠ってしまった。

腕の中には、シルフィーナが久しぶりのアレクシウス側神族への女神の愛が疲れたのか、まだ眠っていた。

こっそり神力を覗き見たが、満タンとは言わないが、それほど減ってはいないようだ。

ただただ、疲れて眠っているようだった。

同じ角度だと体に負担があると思い、支えている手を緩めてシルフィーナの体勢の左右を入れ替えようとしたら

「いやぁ」

と声を出されたので、角度を変えるのを止めた。

「申し訳ございません」

声に出さないように謝罪したら

「・・・ん」

と帰ってきた。

まだ起きる気配がないので、このまま静かにすることにした。


夜になってもシルフィーナは起きなかった。

その後、寝がえりはしたので体への負担は大丈夫だと思うが、そろそろ今日の担当ジーンの時間だ。

起こすべきか、とも思ったが、とりあえずジーンが来るまで待つことにした。

暫くしてジーンがやってきた。

「まさか、ダーレンの後からずっとお休みなのか?」

ジーンも声を出さないように静かにしゃべる。

「ああ、どうする?女神の愛が欲しいんだろ?起こそうか」

ジーンはしばらく考えたが、

「いや、今日はフラウを頂こうかと思ってたんだ。でも、まだお休みならお前の代わりに抱っこさせてもらったらシルフィーナ様がお起きになったときに憤慨されるかな?」

「どうだろう?でも朝に寝返りさせようと手を放したら、いや、っておっしゃった。離れないかもしれないが、やってみようか?」

ガイがそっと手を放して、シルフィーナの腕から頭を抜いてみたが、眠りが深いのか今回は反応が無かった。

「俺、抱っこしてみて良いか?」

ガイが頷くとジーンはシルフィーナの腕の中に頭を入れ、ガイの指示通りの所に手を回し支えた。

「大丈夫そうだな、俺は外にいるから」

とガイは振り返りながら部屋の外に出た。

ジーンは女神が自分の腕の中ですやすや眠っている感覚を堪能していた。

これは、ガイも眠ってしまうのがよく分かる、シルフィーナの寝息がとても心地よいし、抱き合っているので暖かい。

始めはドキドキとしていたが、時間がたつとジーンもつい心地よさからうつらうつらとしてしまった。


夜半過ぎ、闇夜を切り裂く女神の悲鳴が響き渡った!

「どうした、シルフィーナ!」

聞きつけたアレクシウスをはじめ、神族の全員がシルフィーナの眠る部屋に駆け付けた。

当のシルフィーナはガイに抱きつき、まだキャアキャア言っている。

呆然と手を広げて突っ立っていたのはジーンだった。

「お起しし、申し訳ございません、シルフィーナ様がようやくお目覚めになり、状況がお分かりにならなかったようで」

と、ガイがシルフィーナの頭をなでながら説明した。


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