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銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
45/437

45.兄神の謝罪

アレクシウスの部屋に行くと、兄はベッドに腰かけてシルフィーナを待っていた。

シルフィーナを見上げるとアレクシウスはシルフィーナの手を取って話を始めた。

「キアの話を聞いた。俺たちの相手がお前にとって大変なことはお前が倒れたときに分かった。分かっていたのに女神の愛を強要して済まなかった」

シルフィーナは首を振った。

「いいえ、お兄様、女神の愛を授けるのは女神の務めなのです。ただ、回数が多いと流石に疲弊してしまいます」

「ああ、そうだな」

「今回お姉様の所でガイに、女神の愛を授ける、と言ったら、ガイは、私の負担になるからと、拒否しました」

アレクシウスは黙ってシルフィーナの顔を見て聞いていた。

「私の神使なのに、私の女神の愛を率先して受けられる立場なのに、拒否したのです」

泣くつもりは無かったのに、その時のことを思い出すと涙があふれてきてしまった。

「だからお姉様にお願いをしてお姉様とお姉様の神族に神力を分けて頂いたら、ガイは、ガイはお兄様とお兄様の神族の為に神力を集めたと思ったのです」

アレクシウスはシルフィーナの手を導き、自分の膝の上に座らせた。

可愛いシルフィーナの頬を流れ落ちる涙をそっとぬぐってくれた。

「ガイの為なのにガイは勘違いをしたんだな」

シルフィーナは頷いた。

「それで、ガイに女神の愛は授けれたのか?」

コクンと頷くだけで返事が出来なかった。

「そうか、良かったな」

アレクシウスの部屋の外には神気を消して話を聞いていたガイがグッと握りこぶしを作っていた。

「俺たちの所為でお前とガイに不愉快な思いをさせてしまったな、すまなかった、シルフィーナ」

シルフィーナは首を振って、兄の首筋をギュッと抱きしめた。

アレクシウスがシルフィーナの背中をさすってくれたのが、とても心地よかった。

「ほかに何かあったか?楽しい事でも嫌な事でも話してごらん」

「お姉様の神従に神力をもらったときにフラウ入りの接吻でお礼をしたら、見た目が濃密だからかガイが怒りました」

「フラウ入り?俺はもらったことがないが、ガイは焼きもちを焼いたのか?」

「そうだったみたいです、私もして欲しい、と無礼を何度も言うので、フラウちょっと増量で仕返しをしたら2時間ほど立ち上がれなかったようです」

「あはは、それは強烈だったようだな」

ドアの外のガイは顔を手で覆っていた。

「フラウ入り、強烈だったのか?」

小声でジーンが聞いて来た。

顔を手で覆ったまま頷いた。

「そういう話を聞くと俺もフラウ入りを体験してみたいが、お前に感謝されないともらえないんだよな」

アレクシウスは、う~ん、と考えるがシルフィーナの喜びそうなことが思い浮かばない。

「お!これはどうだ、今日は女神の愛は無しだ、その代わりフラウを頂きたい」

じっとりと兄神を睨んでみたが、正直そっちの方が接吻ひとつで済むので楽だと思った。

「そのお話、乗りましょう、お兄様ベッドに横になってください、お兄様は王子様と言う重要人物なので、有事の際に動けなければ困りますから、接吻は普通に濃厚で、フラウは一番軽い方でよろしいかしら?」

その後、兄神は1時間は動けなくなったので、シルフィーナは兄神の部屋で丸くなって眠ったのだった。


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