44.兄神の元へ
次の日の夜、夕方まで眠っていた二柱はアレクシウスの元に飛ぶ準備をした。
アレクシウスの神気は王都より西南の方向にあるようだが、近づいてから場所を特定することにした。
確か国境付近の兵の配置変更のための視察だったはずなので、国境付近にまで飛んだ。
南西に大きな町があった、そこから十数キロ先にアレクシウスが居るのが確認できたので飛んでみる。
明らかに国境を守る砦だった。
「お兄様、参りましたわ」
「シルフィーナ!よく来たな、待っていたぞ。顔を見せて見ろ。うん、元気そうだ。相変わらず美人で自慢の妹よ」
頬に接吻をしてもらい、ギュッと抱きしめてくれた。
「到着したばかりで申し訳ないが、ここでの仕事がほぼ済んだので明日から次の砦に向かって移動だ」
「まあ、それは落ち着かないですわね」
「視察中だからな、仕方がない、フローリアの所は楽しかったか?」
「はい、神使のキアといっぱい遊んでいました、王妃様の衣裳部屋へ忍び込んだんですよ!」
「ははは、悪いことをしてたんだな」
アレクシウスは高笑いをしていた横でアレクシウスの神使ジーンが
「さすがに私は王妃様の衣裳部屋へはご案内出来ませんが、次に王都に戻ったときに宝物庫へ忍び込んでみましょうか?」
「わあ、面白そう、行きましょう!」
と言ったら、アレクシウスに咳ばらいをされてしまった。
「見るのはいいが、持ち帰りは不可だからな」
「もちろんよ、お兄様」
「夜までもう少し仕事が残っている。あとで俺の部屋に来い。それまでジーンと一緒に砦を探検していると良い」
流石に砦なので華やかさは一切ない、女官も居ない、居るのは兵士のみ、と思いきや、厨房を覗いたらお手伝いに来てくれると思われる年かさのいった女性が何人か居た。
元気に若い兵士を自分の息子のようにたくさん食べさせて、大きく笑う笑顔が素敵だった。
夜、ガイをアレクシウスの神従の部屋に置いてアレクシウスの部屋に向うつもりで神従の部屋に行ったら、アレクシウスの神族達が、キアからフローリアが激怒したと聞いたらしく、丁重さが足りなかったことを謝罪された。
ガイが握りこぶしをぎゅっと握っているのに気が付き、手を握ってあげた。
「ガイ、大丈夫よ、そんなに怒らないの」
「はい、シルフィーナ様」
「じゃあ、お兄様の所に行ってくるわね、ガイはここで休むのよ」
「はい」
「みんな、ガイをお願いね」
「心得ました」
シルフィーナはガイの頬に接吻をして、アレクシウスの元に向かった。
「ガイ、心配ない、アレクシウス様の部屋はすぐそこだ」
「アレクシウス様もキアの話を聞いていた、無茶はしない、絶対にだ」
「心配なら俺と一緒にアレクシウス様の部屋の前で控えるかい?」
と実体を持たない神使ジーンが提案してくれた。
ガイは心配し過ぎはシルフィーナに怒られるかもしれないと思いつつも
「悪いが、神気を消してでお願い出来るだろうか?」
と答えた。




