43.神従の元へ
二日後
「お姉様、おはようございます」
「やれやれ、やっとお姫様が近衛騎士を連れてお出ましですか?」
「はい、お姉様の神力で昼夜逆転してしまい、今頃、時計が元に戻った感じです」
「なにはともあれ、仲直りが出来て良かったわね。もうあんな意地っ張りはしないで頂戴、ガイが気の毒過ぎます」
「はい、反省しております」
「お姉様、今夜、アベルとルーカスの様子を見て明日にはお兄様の元へ参ろうと思っております」
「そう、もう2週間たったのね、また来るでしょ?」
「もちろんです、1週間経ったら来ます。ところでお姉様、今日のご予定は?」
皆の視線が従者カイルに向けられ
「午前中はスタニスラガの歴史のお勉強、午後はルイド侯爵家での女性だけの小規模のお茶会に招待されております」
「スタニスラガの歴史のお勉強?」
フローリアはシルフィーナが不思議に思っているのが不思議だった。
「聞いてないの?」
「何をですか?」
「私の嫁ぎ先、私の婚約者のこと」
「存じませんが?」
フローリア側の神族が顔を見合わせたが、さっぱり姉が何を言っているか分からなかった。
「じゃあ、これは後のお楽しみにしようかしら。あなたも歴史の勉強に参加したら?スタニスラガに生まれるのでしょ」
「え~、3年後には産まれますけど?そのお楽しみは早く知りたいです」
ちょっと口がとんがってしまった。
「うふふ、そのうち教えるわ、さあ、先生はもうお待ちかしら?お部屋を移動しましょう」
歴史の授業は正直眠かったが、フローリアと楽しい昼食の後、お茶会にもついて行った。
高位貴族の年の若い女性のみの集まり、美味しいお茶と素敵なお菓子を頂き、もっぱら話題はどこの誰それが優良物件だとか、どこそこの誰それの婚約者は将来有望だとか、実に貴族の女の子らしいうわさ話でもちきりだった。
シルフィーナはと言うと、出されているお菓子は食べられないが、今度来た時に姉におねだりしようと菓子の名前が出るたびに頑張って覚えて行った。
城での夕食後、姉に暇の挨拶をし、ガイと手を繋いでスタニスラガに戻った。
2週間ぶりの兄の隣の部屋は何も変わらずそのままで真夜中まで休むことにした。
真夜中、皆が寝静まったころ、ガイと手を繋いでアベルの様子を見に行く。
スザリオ伯爵夫人は悪阻が始まり、かなりひどいようで軽く神技をかけてあげ、腹の様子を探ったが、順調そうだった。
「私のかっこいいアベル、まだまだ生まれないわね」
次にジャシス伯爵夫人の様子を見に行った。
夜更かしの夫婦もさすがにもう眠っていたので様子を見やすかった。
こちらの夫人も悪阻が始まったようなで軽く神技をかけ、悪阻を和らげてあげた。
「私の素敵なルーカス、順調に育ってね」
夫人の腹をそっとさすった。
「さあ、ガイ、お城に戻りましょう、明日はお兄様の所に行かなきゃね」
「はい、明日の夜に行けばよいのでは?それまでたくさん接吻をしましょう、そしてたくさんお休みになってください」
シルフィーナの体調を慮っている優しいガイであった。




