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銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
34/436

34.女神の接吻

フローリアがシルフィーナから離れると、姉神はシルフィーナの頭を撫でた。

「今日はこれだけ、また明日ね、カイルとセムスにも貰いなさい」

「お姉様、ありがとうございます」

まだフローリアに抱き着いたが、すぐにカイルの前に向かい、カイルに接吻した。

「カイル、ありがとう、もうこれで大丈夫よ」

そういいながら、濃厚な接吻を時間をかけてもう一度した。

いつもキリッとしたカイルがとろけてしまったが、気にせずセムスに向かう。

同じくセムスにも神力をもらう接吻と別に濃厚な接吻をもう一度したら、やっぱりとろけてしまった。

見た目は13歳ぐらいの少女女神だが見た目以上に魅力はあるようだ。

ガイはその様子を痛いぐらい握りこぶしに力を入れて見ていた。

「お姉様、カイル、セムス、キア、ありがとうございます。今日はこれで失礼します」

と言うとシルフィーナはガイを引っ張って自室に戻っていった。

「ガイの目の前であのような接吻!それにしても私の神従はあの程度の接吻で溶けるの?修行が足りませんわね」

とフローリアがへたり込んだ神従たちを見て、ため息をついたのだった。


「シルフィーナ様、いったい何をなさっているのですか!姉上の神従にあんなことを」

自室に戻ったガイが相当怒ってシルフィーナの腕を両手でつかみ珍しく大きな声を出した。

「ごめんなさい、お願いだからそんなに怒らないで、ガイ、私のガイ、怒らないで」

瞳を真っ赤にしたガイが、この怒りをどこに盛って行けばわからず、俯いてしまった。

「なぜ、なぜ、フローリア様の神従に、なぜ!」

「・・・神力を分けて欲しいとお願いをしたの」

シルフィーナの腕をつかんだガイの手が震えている。

「何のために?何のために私の目の前で!」

アベルとルーカスが定着中、ガイはシルフィーナから離れることはない。

別室で控えさせておけばよかったのかもしれないが、急に神力が増えるとやはり誰にもらったか悟るだろう。

「神力が欲しければあそこまで熱い接吻は必要ないでしょ?どうして私に神力が欲しいと言わないのですか?私にも神力はあります。貴女の為なら何時でも幾らでも神力を差し出せます。私ではダメなのですか?私は貴女のお力になりたいのに」

ガイの怒りは徐々に悲しみに変わっていった。

赤い瞳はまだいつもの薄い赤には戻っていないが、涙があふれていた。

「ガイは私がなぜ神力を集めていたか分かる?」

「・・・それは・・・なかなか神力が回復しないから・・・ですか?」

「そう、疲れのせいか神力の回復が遅いの。じゃあ、どうして神力の回復を急いだかわかる?」

シルフィーナの顔をボロボロと涙を流しながら見る。神意を探ろうとしているが

「アレクシウス様とアレクシウス様の神族の為、ですか?」

ガイのその言葉にシルフィーナは失望を顔に浮かべ首を振る。

「・・・まさか・・・私の・・・為・・・ですか?」

シルフィーナはほんのりと口角をあげて頷く。

「そう、ガイの為。ガイに女神の愛を与えたい為。神力が少ないとガイが拒否するから、ガイが拒否しないだけの神力が欲しかったの」

ガイはシルフィーナから目を離すことが出来ず、麗しい自分の女神をじっと見つめている。

「ガイは私の望を叶えるために居るのでしょ?ガイ、私の望みはあなたに女神の愛を与えることよ」


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