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銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
33/436

33.女神の神力

嬉々としてフローリアの元に戻ると、王女と従者二人は昼食を取っていた。

シルフィーナとキアがきゃあきゃあと賑やかに現れたので、従者たちは恐れ多いとキアをまた叱った。

「お姉様、見て、市場でこの水晶のピアスを売っていたの。かわいいでしょ、ガイが色を私好みに変えてくれたのよ」

本当に嬉しそうなシルフィーナを見てフローリアもニコニコしていた。

「シルフィーナ様、今度こそ王妃様の衣裳部屋へ行きましょうよ」

「行くわ」

と嵐のように食堂を後にした。

行く道々に色々な部屋を覗きながら王妃の私室に到着。

ガイは女性の部屋だからとリビングに足止めをしてキアと二柱で衣裳部屋へ乱入した。

「うわ~、大量にあるわね!ちょっとおばさん臭いのかと思ったけど、さすが王妃様ね、洗練されたデザインだと思うわ」

「シルフィーナ様、こっちはキラキラの宝飾品ですよ」

「きゃあ、素敵!でも結構大振りだから重そうね」

「王妃様となるとこのレベルが必要なのだと思います」

「そうよね」

目を輝かせてドレスや宝飾品を見ていたが、前々から考えていた願いをキアに聞いてもらうことにした。

「ねえ、キア。ガイが居ないうちにお願いがあるの」

「何でございましょう?」

「言いにくいことなのだけど、神力を少しだけ分けてもらえないかしら?」

「失礼します」

キアはシルフィーナの額に指をあて神力を分けてくれた。

「シルフィーナ様、ガイへ女神の愛の為ですか?」

少々ためらったがシルフィーナは頷いた。

「まだ私の神力が足りないと言って女神の愛を受けようとしないのよ、猶予は一週間伸びたけどお兄様の所に戻るとまた神力が減るから今のうちに愛を授けたいのだけど」

キアは考えたが提案を出してきた。

「フローリア様に相談してきます、カイルとセムスにも分けてもらえるかもしれませんし」

「それはダメよ、お姉様の警護に神力が要るもの、わがままは言えないわ」

「はい、ですから相談だけでもしてみて、フローリア様の判断を仰ぎましょう、ここで待っていてください、すぐに戻りますから」

「キア!」

キアは神使である。神使は準神霊の中でとにかく動きが素早い柱が担当する。

しばらくして帰ってきたキアはニコニコしていた。

「フローリア様の許可が出ました。神従二人は神力が120%あるので遠慮はいらないそうです、減っても明日には120%なので全然遠慮なしで大丈夫ですよ」

「キア、ありがとう、すぐにお姉様の所に戻りましょう」

王妃のリビングに居るガイを回収してフローリアのリビングに戻った。

「お姉様、ありがとうございます、感謝申し上げます」

フローリアの顔を見るなりシルフィーナは姉に飛びついた。

「そういうことはもっと早く言いなさい、何を遠慮しているの、まずは私からね」

何のことか分からないガイが、目の前の光景を見て目を見開いた。

主シルフィーナとその姉神フローリアが、接吻を交わしたのであった。


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