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銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
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22.出立

「戻って来ない?それはダメだ」

「そもそも降りて来たのはお姉様のお誘い、顔を出さずして何としますか!体調も戻ってきたのでお姉様のご機嫌伺いにまいります!お兄様たちはどうぞ視察にお出かけくださいませ、ガイ!笑いすぎ!!」

アレクシウスの困り顔とシルフィーナの困っているのは知っているがそれがどうしたという態度が壺に入って笑えてしまう。

「シルフィーナ頼む、視察は少なく見積もって1か月はかかる、1か月だぞ、目の前に女神が居るのにその間女神の愛が受けられないなんて有り得ないだろう?」

「先日グイドが、19年ぶりの女神の愛、と言ってましたので、そのくらいは我慢お出来になりますよね」

アレクシウスが、うぬぬぬ、っとした顔をし出したので、ガイが割って入ることにした。

「あはは、シルフィーナ様そのくらいにして差し上げないとアレクシウス様がお可哀そうです」

「でも視察に同行なんて嫌よ、本当にお姉様にお会いしたいの」

「そうですよね、分かっております、では2週間はフローリア様の所で、その後1週間は視察先でと言うのは如何でしょう、なんならこの先シルフィーナ様が定着なさるまでこのパターンで行き来するというのも有りかも知れませんよ」

アレクシウスとシルフィーナが顔を見合わせた。

「いいわね」

「「週一回が三週間に一回になるだと?勘弁してくれよ」

意見が割れた、シルフィーナは嬉しそうで、アレクシウスは情けない顔をしていた。

「では、間を取って一週ごとに行き来、シルフィーナ様に負担が見られた場合は、休養を一週間挟む、でどうでしょう。それならアレクシウス様方の無理な交わりをお控えいただけるのでは?」

ガイのちらっとした嫌味に当然だという態度のシルフィーナは兄の顔をじっと見た、その視線を感じながら兄は

「・・・譲歩、・・・感謝する」

と絞り出すように答えた。


シフトを変更してアレクシウス側は一日おきに一人で一週間、ガイはフローリアの所に居る時のみに変わった。

今週は仕方がないので明日からアレクシウスの神族を毎日三人連続となった。

ガイは来週行くとフローリアに伝えに行き、アレクシウスと神従たちは旅の準備、ヒマになったシルフィーナは7時からの歌劇を楽しみに一眠りしようとしていたが、ガイがすぐに帰ってきたので、また抱っこをしてもらい眠った。


翌週、兄たちの辺境視察への出立の日

兄は王子然とした衣服を身にまとい、とても素敵に見えた、が、まだ16歳なので若き王子様である。

王子の馬車は従者グイドとダーレンの3人で乗る。

他も主だった役職保持者は別の馬車にやはり従者と乗る。

それ以外の騎士は馬に騎乗しての移動になる。

少人数の視察と思いきやなかなか立派な行列になっていた。

お見送りのシルフィーナは兄の膝の上に座り兄から接吻を受けていた。

「お兄様、行ってらっしゃいませ、一週間後にお会いしましょう」

「ああ、場所は移動があるので俺の神気を上げておくからそれを目指してこい、待ってるぞ」

「はい、お兄様、それでは」

優雅に礼をする場所は無かったので、準神霊にも接吻を施しシルフィーナは消えた。


「さあ、行ったわ!私たちもお姉様の所に参りましょう」

「はい、シルフィーナ様」


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