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銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
138/519

136.複雑な心

「おお、来たか。シルフィーナ」

アレクシウスはそう言うと美しい妹神に接吻をした。

「お兄様、今日のガイの髪形は可愛いでしょ?編んでみたの。ガイ、後ろを向いて」

そう言われガイは180度回転した。

「なかなか良いじゃないか。そのために後ろ髪が長かったんだな」

「うふふ」

神二柱は楽しそうだが、後ろを向いたガイは複雑な気持ちが顔に出ていた。

「さあ、パパの所に行きましょう。パパはまだ起きているかしら?」


パパはまだ起きていた。

また執務室で書類を眺め、サインをし、判も付いていた。

のぞき込んでみると、領地の下水整備の許可を出してたようだ。

アレクシウスがモリエール侯爵を眠らせると、神技の経過を観察した。

「まだ、数が少ないな。前よりは古い細胞は減っているようだが、まだまだ足りない」

そう言うとアレクシウスはもう一度神技をかけて、精子生産の安定性を保たせた。

「今月は神技を始めたばかりだから、ゆっくりパパが安定すると良いと思うわ。パパ頑張ってね」

シルフィーナが眠っているモリエール侯爵に声をかけるのをガイは複雑な心境で見守っていた。


モリエール侯爵邸の後はアレクシウスと別れてジャシス伯爵邸に向かう。

待っていたルーカスに何のためらいもなくシルフィーナは抱き着き接吻をした。

「昨日は私たちの寝姿は見たの?」

「ええ、拝見しましたよ。お顔はほとんど見えなくなりましたが、髪と衣装がとても優雅になびいて綺麗でした」

「へぇ、そうなのね。抱っこされて眠ると暖かくてよく眠れるのよ」

「分かります、ガイが迎えに来るまでベッドでシルフィーナ様をお抱きして眠っていたんですよ。寝息が心地いいですね。ガイを起きて待っているつもりだったのに、うっかり連られて眠りました」

「うふ、そうだったのね」

ルーカスはお喋りの間シルフィーナを両手で抱き寄せ膝の上に座ってもらい楽しそうに話をしていた。


ジャシス伯爵邸の後はスザリオ伯爵邸へ向かったのだが、到着するや否やアベルのお小言が飛んだ。

「シルフィーナ様!あれほど一柱で行動してはいけませんと申し上げましたのに、また一柱で移動したでしょう!あなたと言う方はどうしてそうお気軽に動き回るのですか?シルフィーナ様、聞いておられるのですか!」

「はい!聞いてます。済みません」

「だから、女神は簡単に謝ってはなりません。威厳が損なわれます」

「はい!分かりました!」

ガイが後ろで肩を震わせて笑っていたが、とばっちりが来た。

「ガイ、お前もだ。俺と一緒に沈没してる場合じゃないだろう。ルーカスの所でも沈没して毎日毎日沈んでいるな!シルフィーナ様をお守りするのは今のお前の仕事なんだぞ。分かっているのか?」

「はい、申し訳ございません」

アベルに二柱そろって怒られたが、王城へ戻る前には

「シルフィーナ様、接吻を」

といつものアベルのブレない要望が出てくるのであった。


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