133.沈没
その夜、スザリオ伯爵邸を先に尋ねた。
「アベル、私のかっこいいアベル」
眠っていた子供アベルはすぐに目覚め神霊体を顕現した。
「シルフィーナ様、いらっしゃいませ。接吻を」
ブレないアベルは今日もまずは接吻をねだる。
「お茶会は如何でしたか?楽しかったですか?」
接吻をするとアベルが楽しそうに聞いて来た。
「ええ、ガイの悪口で話題に事欠かなかったわ、うふふ」
「ああ、昨日のルーカスへの悪戯ですね。今日は私を悪戯で沈没させてくれるのですよね?」
「うふふ、さあどうかしら?上手くアベルを沈没させれるかしら?」
「私はルーカスより簡単だと思いますよ」
とアベルは不敵な笑いを浮かべた。
その顔に接吻を落としシルフィーナは悪戯を始めた。
確かにシルフィーナの神族の中で熱しにくいのはルーカスだ、彼は一番冷静である。
アベルは神族の中では一番頭に血が上りやすいタイプかも知れないが、リーダーの素質を存分に発揮するタイプだ。
シルフィーナの中ではガイが一番行かせやすいタイプなのは間違いない。
アベルはシルフィーナの悪戯に身を任せ、シルフィーナはルーカス並みに丁寧にじっくりとアベルをあおっていった。
ガイは後ろでその様子を冷静に見ていたが、途中から悪戯を頑張っているシルフィーナが分かるほど熱されて行き、結局アベルが先に落ち、あともう少しで落ちそうで落ちきれないガイをシルフィーナが口で行かせてやった。
かくして、またもや二柱が同時に落ちたわけだが、一柱で行動するな、と言われたにもかかわらずルーカスの元へ向かった。
「シルフィーナ様、いらっしゃいませ。昨日は悪戯を体験させてくださり、ありがとうございます」
「ルーカス、私の素敵なルーカス。気分はどうだった?」
ルーカスに接吻をしながら聞いてみた。
「気持ちよさでは女神の愛の方が好きですけど、あの何とも言えない絶頂からの放心状態は癖になりますね」
「そんなものなのね。私には分からないけど、ガイは心が空になるって言ってたわ」
「空ですか、そうですね。これは神族の男性体のみの感覚かもしれません。機会が頂ければまた欲しいぐらいですよ」
「そうなのね。ガイは女神の愛と悪戯は半々ぐらいでリクエストしてくるわ。困ったものだと思ったけどそうでもないのね」
とにっこり女神は微笑んだ。
ルーカスがガイが見当たらないのに気が付いた。
「ガイは居ないのですか?」
「今日はアベルに悪戯をしてきたの。ガイも一緒に沈没しているわ。あの子、見ているだけで行っちゃうタイプみたい。昨日もここで沈没しちゃったものね」
「ええ、沈没してましたね。でも実際に体験した私よりは早く復活して後を追って行きましたよ」
「あら、ルーカスは復活に時間がかかったのね。頑張った甲斐があるわ」
とシルフィーナがころころと笑ったら、ルーカスはにっこりとほほ笑んだ。
「今日はここで休んで行かれますか?朝になると賑やかになるので不快だと思いますが、ガイが来たら城まで運んでくれるでしょう。それまで抱っこさせてください」
「抱っこ?」
「ええ、ガイがいつも抱っこをして眠っていると言ってました。でもジーンが抱っこしてお泣きになったとも」
「抱っこはまだ駄目よ。でも添い寝なら大丈夫よ」




