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銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
13/436

13.晩餐

「ただいま戻りました」

アレクシウスの執務室にシルフィーナと女神の神従が戻ってきた。

驚くことにシルフィーナはアベルに抱きかかえられすやすやと寝入っていた。

「どうした?」

「はい、神殿を見学しておりましたところミサが始まりまして、お祈りの言葉が退屈だったようで眠ってしまいました」

あきれ顔のアレクシスだったが

「ああ、あれは眠くなるな」

と納得していた。

「アレクシウス様にご進言申し上げます」

ルーカスが神に対する礼を取りながら申し出た。

「なんだ」

「シルフィーナ様はシュニッツェルをアレクシウス様にご所望すると申しておりました」

「それが王太子と関係があるのか?」

アレクシウスは眉根を少し寄せた。

「はい、市井でモリエール侯爵を発見し、あとを付けましたところ王太子殿下とシュニッツェルを食しておられました。シルフィーナ様はいたくご興味を引かれたご様子でアレクシウス様におねだりすると申しておりました」

「あはは!分かった、晩餐をシュニッツェルにしよう、グイド、そのように手配をしろ、ダーレン、晩餐はシルフィーナに体を貸してやれ」

「はい、かしこまりました」


アレクシウス専用の食堂にやってきた。

ダーレンの体を借りたシルフィーナは給仕係が居るのでしゃべるなとアレクシウスに言われている。

男らしい仕草を意識しながら、前菜、スープ、魚料理と食べ進め、いよいよお待ちかねのシュニッツェル!

アレクシウスとグイドは仕事の話をしながら食事をしているが、しゃべるなと言われているのでわざわざ話に食い込まなくて良い。

サクサクのころもにフォークとナイフを入れる感覚はいかにも軽く、ソースをたっぷり付けて食べてみる。

(美味しいわ~)

と周りで神霊体のままの神従たちに表情で報告する。

神霊体の自分の神族+兄の神族はいかにも(良かったですね~)と言わんばかりのほほえみを返してくれた。

体を貸してくれたダーレンの為にたくさん食べることにしたのでパンをお代わりする。

男性の胃袋は大きいようで、それでもデザートがペロッと食べれたので大変満足して体を返した。


執務室に戻って王太子のことをアレクシウスに報告した。

流通の視察では問題なかったようだったと言うと、他にも目的があったのかもしれないとアレクシウスは言ったがそこまでは王太子の話は聞いていなかった。

「お父様の神像が年寄り過ぎる」

と言うと大笑いされたのは言うまでもない。

あてがわれた部屋に戻って神従たちとじゃれ合おうと思ったら

「今夜は俺が行くから」

とアレクシウスに言われた。

シルフィーナの神従たちが慌てたのは言うまでもなかった。


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