127.ガイとルーカス
ルーカスは自分のベッドで寝てしまったシルフィーナの髪を撫でながらガイに聞いた。
「ガイ、シルフィーナ様に甘えているかい?」
ガイはなぜそう聞かれるのかは分からなかった。
「いえ、シルフィーナ様にご迷惑をかけないように努めています」
ルーカスはベッドわきに立つガイの顔を見上げた。
「そうか、君は極端だね。シルフィーナ様はね、困ったことがあったら僕の所に来るんだよ。たぶんシルフィーナ様はそのことを意識していない。僕の所に来ても相談なんてしないんだよ、だって女神だからね。僕たちシルフィーナ様の神族は全てにおいてシルフィーナ様の意志で動いているんだ。だから相談はしないんだ。でもシルフィーナ様は今、何かに悩んでいる。それはきっと君のことだ」
「俺のことですか?」
「定着にはアレクシウス様とフローリア様が付いていれば問題ない。だとしたら後は君しかいないだろう」
「・・・」
「ガイ、シルフィーナ様に甘えるんだ。君たちの寝室にはほかの神族は居ないだろ?二柱の時には甘えて良いんだよ。ほかの神族の目があるときには礼儀正しく素晴らしい神使でいるんだ。それだけでいいんだよ」
「・・・接吻を所望しても・・・良いのですか?」
「もちろんだよ」
「・・・女神の愛を所望しても良いのですか?」
「もちろんだよ、女神の義務だからね。シルフィーナ様が気乗りしない時、体調がすぐれない時はもちろんダメだ。でもそうでない時なら甘えても良いんだよ。だって僕たちの女神なんだからね」
「・・・ルーカスが定着してから、悪戯と言う遊びを覚えました」
「どんな遊び?」
「シルフィーナ様が体中に接吻をしてくれて、俺を行かせてくれる、遊びです」
「へぇ、僕もしてもらいたいな。今度起きているときにおねだりしちゃおう」
「え?」
「このくらいの軽さでお願いしたらいいんだよ。ダメなら、ダメ!って言われるから、その時はあきらめる」
ルーカスがにっこり笑う。
「さあ、僕は寝るからそろそろお帰り。シルフィーナ様をちゃんと抱いて帰るんだよ」
そう言うとルーカスは、眠っているシルフィーナに熱い接吻をした。
「シルフィーナ様、おやすみなさい。また明日来てくださいね。さあ、ガイ、シルフィーナ様と一緒にお帰り。そしてお目覚めになったら甘えてごらん。きっとお喜びになられる」
ガイがシルフィーナを抱き上げると、眠っているシルフィーナの腕がガイの首に巻き付き、背中と膝裏を支える。
「いつもそうやって眠っているの?」
「はい、この体勢で宙に浮いて結界の中で眠っています」
「羨ましいね。それもおねだりしちゃおうかな」
「これは多分ダメです。一度眠っているときにジーンが抱っこしたら、シルフィーナ様がお起きになったときに大騒ぎになりました。俺じゃなかったのが気に入らなかったとおっしゃってました」
「大騒ぎ?」
「はい、お起きになった途端悲鳴をあげられ、その後かなりお泣きになり、なだめるのに時間がかかりました」
「ビックリされたんだね、お可哀そうに。さあ、もうお行き、僕はもう限界だよ。お休み、ガイ」
「はい、おやすみなさい。また明日」
そう言うと、シルフィーナを抱っこしたガイが消えた。




