120.しっかり者は誰?
フローリアの朝食にギリギリ間に合ったシルフィーナ、ガイを部屋に残してきた。
「おはよう、シルフィーナ。一緒に頂きましょう。セムス」
「はい」
セムスが体を貸してくれた。
食事が始まると、やっぱりフローリアに聞かれた。
「ガイは?」
「神技で眠らせてきました。かなり不安があるようで私から離れないので」
「そう」
いつもは楽しい食事なのになかなか食が進まない。
「お姉様、私が定着したらガイを預かってもらえますか?」
「いいわよ、私もスタニスラガに住むから、お兄様のジーンも面倒を見てくれるでしょう」
「ええ、ジーンは特にガイと仲良くなりたいみたいで、いつも話しかけてくれます」
(食べなければ、セムスがお腹を空かせてしまう)と思いサンドイッチを食べる。
「今日はガイがずっとくっ付いていたので、ルーカスが、今のうちに甘えときなさい、でも、アベルの所に行くときには離れなさい、って言われたら、嫌だ、ってごねたの」
「アベルの所に行くとき?」
「ええ、だってアベルってば口うるさいんですもの」
とコロコロと笑いながらシルフィーナは言った。
(とりあえずたくさん食べなければセムスの体が可哀そう)と思いしっかり食べた。
「そうよね、アベルはしっかりしているから頼もしいけど、ガイは苦手そうね」
とフローリアがコーヒーにミルクを入れてもらいながら言った。
「苦手でもないけど、どちらかと言うとアベルの言うことが正論なので、ガイがしょげるパターンかしら?普段は結構対等なんですけどね」
「で、あとであやすのがルーカス?」
「そうそう」
とここでキアまで笑った。
「お姉様の所はやっぱりカイルがしっかり者で、キアがいつも怒られるパターンかしら?」
と目の前にカイルの体を借りて座っているキアを見ながら言った。
「私は常にカイルに怒られています。セムスにも怒られています」
とキアがニアニアしながら言った。
「キア、私が定着に入ったら、ガイをせっついてアベルとルーカスの様子を見に行かせてね。言ってはおくけど、この分じゃどうもモリエール侯爵夫人にくっ付いてそうな気がするわ」
「そんな気がしますね」
キアが言ったが、神従のカイルとセムスが後ろで頷いていた。
「まだ3か月もあるのにここまで凹まれると、どうすれば良いのか悩んでしまうわ。キアはお姉様が定着するときはどうだったの?」
「サラッとフローリア様を腹に送り込んで、神従二柱とフローリア様を巡回してました。子供が寝たら、次に行こう、って感じで、グルグル回ってましたね」
「そのやり方、ガイに仕込んで欲しいわ」
「了解しました、お任せください」
良い師匠が身近にいて、かなり安心したシルフィーナであった。




