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銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
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118.定着の手順

「じゃあ、早く定着する可能性があるということですね」

シルフィーナが確認の言葉を発すると、またガイの腕に力が入った。

「そうだ、侯爵への神技は俺がする。受精卵の見極めは俺とフローリアでする。何よりもお前と母体と受精卵の安全を重視してこの定着を成功させる。それで良いな、フローリア」

「はい、お兄様の計画通りで」

フローリアは文句なく賛同した。

「はい、私もお兄様とお姉様にお任せいたします」

シルフィーナも賛同すると、またガイの腕に力が入った。

「ガイ、きついわ、腕を緩めて」

神と神族の視線がシルフィーナとガイに集中するが、ガイは腕を緩めず、頭をシルフィーナの肩に置いて動かなくなった。

「ガイ、心配するな、必ず成功する」

「ええ、そうよ。私たちは神です。心配ないわ」

アレクシウスとフローリアが声をかけてくれるがガイは動かず、シルフィーナは愛想笑いをするだけだった。

「シルフィーナ、モリエール侯爵の所には明日の夜中に行く、お前も一緒に来い」

「はい、分かりました」

「今日はこの城でおやすみなさい。明日の朝食にはあなたの大好きな卵ときゅうりのサンドイッチを用意させるわ」

とフローリアが誘ってくれた。

「ありがとうございます、お姉様。では、私とガイはこれから神従に会いに行ってきます。お兄様お先に失礼します」

そう言うとシルフィーナはガイを連れて消えた。


「ルーカス、起きて、ルーカス」

ジャシス伯爵邸のルーカスは眠っていた。

シルフィーナの声に起きてベッドの上に座り込み、胡坐をかいた神霊体を表した。

「シルフィーナ様、ガイ、いらっしゃいませ」

「ああ、ルーカス、大好きよ」

とガイと言うコブ付でもルーカスに抱き着き接吻をする。

「ガイはどうしたの?拗ねているようですね」

「ええ、私の定着の話を先ほどお兄様とお姉様としていたの。モリエール侯爵の体に神技で手を加えて受精させることになったのだけど、受精のタイミングが見えないので早くなるかもしれないってお兄様に言われたら、離れなくなっちゃったの」

ルーカスはガイの頭を右手で撫で、左手でシルフィーナの頬を撫でた。

「そうですか、いよいよ、ですね」

「明日はモリエール侯爵の所へお兄様と行くのでひょっとしたらこっちに来れないかもしれないわ」

「はい、分かりました。ガイ、顔をお上げ」

ずっと背後からシルフィーナの肩に顔を乗せていたガイにルーカスが声をかけた。

おずおずと顔をあげたガイをルーカスは見つめて

「ガイ、まだ日にちはあるよ。シルフィーナ様に甘えなさい。10か月の辛抱が出来るくらい甘えるんだよ」

と言ったが、ガイはまたシルフィーナの肩に顔を埋めた。

「アベルの所へは?」

とルーカスが聞くのでシルフィーナは

「まだ今日は行ってないわ」

と答えた。


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