04
「奈央!!大丈夫?奈央!」
気が付くと友香に肩を叩かれていた。
私は少し重い頭を振って「大丈夫」と答えた。
「良かった、気が付いた。もう驚いたんだから、戻ったら実習室で倒れているし。
救急車を呼ぶ所だったんだよ?!」
「ごめん、ごめん。大丈夫だから。」
何故あんな所で、倒れていたんだろう。
何かに大事なことを忘れているような、曖昧な記憶しかない。
久し振りだからと大学時代の仲間に声を掛け、夜はプチ同窓会となった。
大学時代よくこのメンバーで遊んでいた。
誰かの家に集まっては、酒盛り、ゲーム大会、鍋パーティー。
外に行ってはボーリング、ビリヤード、カラオケ、深夜のドライブと遊びに遊んだ。
笑いの絶えない四年間だった。
「台風も近いってのに、なんで今日なんだよ!」康太が言った。
「良いじゃん、なかなか皆集まれないんだから、下手に予定変えたら流れちゃうじゃん。」
友香が不服そうに言った。友香と康太は卒業後付き合いはじめ、一年前に結婚していた。
「まぁまぁ、夫婦喧嘩は家でお願いしますよ。独身者には毒だよ。」雄大が仲裁する。
雄大は昔から優しくて、いつも皆の調整役だった。
「ところで、久し振りの大学どうだった?」那月が私に聞いてきた。
那月は学生時代からしっかり者で、卒業した現在大手デザイン会社でチームリーダーとして活躍している。昔から私のことを心配して世話を焼いてくれていた。那月と、あれもう一人いたような気がする。
「奈央?疲れてる?」
「ううん、大丈夫。大学は思った以上に懐かしかったよ。あちこちに思い出があって。
今度那月も行ってみたら?たった四年されど四年よ。なんなら一緒に行っても良いし。」
そうだ!だれか覚えていないか聞いてみよう。
「ねえ、実習室の前に階段あったでしょ、そこでよく座っていた男の子って誰たっけ?」
「そんな子いたっけ?」
「いたよ、いつもネイビーブルーのつなぎ着てさ。」
不思議と誰も覚えていない。
『私自身の記憶もあやふやなだけに、気のせいかも』そう自分に言い聞かせるしかなかった。
最後までお付き合いありがとうございます。
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