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私は那月から聞いた話がにわかには信じられなかった。
那月の想いを知って裏切られたような、それでいて自分の無神経さを攻めるような。
何とも言えない気持ちになった。
ただ、とても長い間悩み、葛藤してきただろう那月を責めることは出来なかった。
「奈央には悪いと思ってる。でも後悔はしてないの、多分過去に戻っても同じことする。」
そう言った那月の顔は今にも泣きそうだった。
私は思わず那月を抱きしめた。私も傷付いたけど、那月も傷付いてる。
「那月が私のことを嫌いでも、私は那月のこと大好きだよ。
佑介が消えてボロボロの私に一番気を使ってくれたのは那月だったよね。
授業の前には迎えに来てくれて、食事を作ってくれて。那月のお蔭で大学も卒業できた。
嫌いになんてなれる訳がない。」
私の言葉を聞いた那月は大声で泣き出した。
「ごめんね、奈央。元気なうちに佑介に逢いたかったよね。
でもできなかった、私も佑介が大好きで・・・」
「分かってる。大丈夫よ、私は佑介を目覚めさして、再会するから。
その時は二人で那月をお説教するからね。」
泣き疲れて眠った那月をベットに寝かせ、私は始発の電車に乗って帰宅した。
薄暗い早朝の緑地帯を自宅へ歩いていた。空気は澄み、冷たい空気が体中を巡った。
見上げた空は少し赤みがかっていて、私は無性に佑介に逢いたくなった。
那月が発した言葉で佑介は傷付いだろう。
それでも私を想ってくれた佑介の一途さに愛しさが募った。
私は、必ず佑介を目覚めさすと心に誓った、そのためにこの世界へ戻って来たのだ。
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