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01

 人には必ずある瞬間。

初めて訪れる場所なのに『あれ?!以前来たことがある?』と感じたり、『この感じ過去にも経験した?』と感じる瞬間。


 久し振りの休日。目的がある訳ではなく、何となく歩いてると見慣れない小道。

『あれ?こんな道あった?』

私はまるで誘われるかのように小道に入って行った。

先には雰囲気のある小さい画廊。

蔦に覆われた小さい建物に木の扉。ああ今日は此処に来ることが正解だったんだと直感した。


 中に入ると誰もいない、壁に掛かっているのは懐かしい作品。

繊細で美しい色使い、作品からあふれ出る優しさ、今まで忘れていたことが不思議で仕方なかった。

既視感はあるのに『いつ』『どこで』『誰が描いた』全てが思い出せない。

唯々、心が熱くなる。


 私は心が追いつかず、急いでその場を後にした。

呆然と歩いていると、細い猫の鳴き声。視線をやると痩せた子猫が擦り寄ってきた。

「うちの子になる?」と聞いていた。

子猫は「ミュアー」と返事をするように鳴いた。

私はその黒い小さな命を大事に抱え帰路についた。


 黒猫は『You』と名付けた、名前が浮かばなかったから。

『あなた』ではおかしいが、『You』だったら名前に聞こえるからアリだ。


 『You』は頭を撫でられると、ゴロゴロと喉が鳴らす。

私はその音を聴く度に癒される。

いつからか、誰にも恋愛感情を持てず一人でいる。

欠陥品なのか?そんな自分を受け入れられず、否定してきた。

だから、『You』を見ていると安心する。

寝たい時に寝て、起きたい時に起き、撫でて欲しい時は私に擦り寄る。

自由で何物にも囚われない姿は、ありのままの自分でも良いんだと安心感をくれた。


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