少女のお願い事
こんにちはこんばんは、sha-k_3です。
自由に執筆していくのでよろしくお願いします。
「私、異邦人の方にお願いしたいことがあるんです!」
ワタシの目を見ながら、少女はそう言った。
「お願いしたいこと?ワタシに?」
なるほど、ワタシへのお願い、ね。
「そうなんです。実は、この町にはあまり冒険者がいなくて…私、欲しいものがあるんですけど…」
冒険者?
この世界ではまだ聞いたことのない言葉だ。
ライトノベルとかではよく聞くんだけどね。
一応聞いてみるか。
「すみません。ワタシ、冒険者というものについて、あまりよく知らなくて。教えてもらえますか?」
彼女は少し驚いたようにする。
「あ!そうですよね。異邦人ですから、知らないですよね。それじゃあ、簡単に説明しますね。冒険者というのは、みんなからの頼み事をギルドという場所で受けて、それを解決していく人達のことです」
やっぱり、ワタシが知っているものと同じだな。
もしかしたら、
「ギルドはこの町にはないのですか?」
「そうなんです。ギルドがあるのは隣街なんですよ。ここ、『ステップ』は小さいので」
ワタシの予想だと、このあとプレイヤー達は冒険者として活動するんじゃないかな?
なんか、ほんとに異世界に転移したみたいだな。
冒険者になって色んなクエストをこなしていくって、なんかすごい憧れがある。
(はっ!)
もしかしたらワタシ、リアルチートで俺TUEEEEー!出来るのではないか!?
周りのプレイヤー達がモンスターに翻弄されている中、ワタシだけが無双状態…
(良い!すっごく良い!)
まるで小説の主人公になったみたいになれるんだ!
(注・この子はこの小説の主人公です。by作者)
「あのー?」
「ハッ!」
って、ワタシは目立たず、静かに、バレないように動くんだから。
そんな目立つようなことはしちゃダメでしょ!
まあ、もうネームドモンスターとかも倒しちゃったし、手遅れかもだけど…
いや、でも匿名にしておいたから多分大丈夫しょ。
そんなことより、彼女の話を聞かないと。
「ごめんなさいね。それで、この町にはギルドが無いから、冒険者が少ないの?」
「そうですね。それに、わざわざ隣街にまで頼み事をしにいく人もいないので」
「なるほど」
それなら納得だ。
この町は冒険者の手をあまり借りずに、自分たちだけで暮らしてきたんだろう。
だからこそ、冒険者に依頼が出したいのに出せない人達は、プレイヤーに頼み事をしようとする。
そして、ワタシ達にこうして頼み事が回ってくるってわけか。
「教えてくれてありがとうございます。それじゃあ、貴方がワタシ達にお願いしたいことってなんですか?」
「それは、お花を採ってきて欲しいんです!」
「お花?」
思ったよりも子供っぽいお願い。
クエストだからもっと難しいものだと思ってたんだけどなぁ。
それにしてもお花ねぇ。
どんなお花なんだろう。
「私が欲しいお花は、白雪草っていうんですけど、生えてる場所が危険で…ステップ平原の南側、その奥にあるタスク雪原なんですけど、その中でも奥に咲いているんです」
南側か。
タスク雪原っていうくらいだから、雪が降ってるんだろうな。
…寒いのかな。
もしかしたらこのドレスじゃ、寒くて攻略出来ないかもなぁ。
それにしても白雪草、多分白雪姫がモチーフなんだろうけど、いまいちどんな花なのか想像がつかないな。
リンゴなのかな?
確か、童話の方で毒リンゴ出てきてたし。
「白雪草って、どういった花なのですか?」
「えーと、真っ白な雪の色をしてて、形は蕾のままのバラみたいです。だから、地面と同化して、見つけづらいんです。しかも、モンスターもいっぱいいるから、私みたいに戦えない人が行こうとすると、死んじゃうから」
「なるほど」
雪原と同化する白い花か。
これは、結構難易度の高いクエストかもね。
モンスターもたくさんいるらしいし。
それじゃあ、1番気になってたことを聞こうかな。
「どうしてそのお花が欲しいんですか?」
どうもsha-k_3です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
これからも自由に執筆していくのでよろしくお願いします。