イエローネームによる予想以上の弊害
こんにちはこんばんは、sha-k_3です。
自由に執筆していくのでよろしくお願いします。
「いらっしゃいませヒッ!」
どうしてかお店に入った瞬間、女性店員に怯えられてしまった。
ワタシってそんな怖い見た目してたかなぁ。
もしかして、あんまり感情が顔に出にくくて無表情だからかな?
折角だし、聞いてみようかな?
「どうして怯えているのですか?」
ワタシは丁寧に尋ねる。
「あ、あの、えと、その…」
しかし、彼女はなぜか涙目になってしまう。
ワタシ今怯えさせてないよね!?
すると、奥の方から店主?の人がこちらに向かってきた。
「すみませんお客様!この子はまだ新人でして…」
どうしてワタシは謝られているのだろう。
それにしても、この人はワタシに怯えていないな。
どちらかというと、焦り?
「どうして貴方はワタシに怯えないんですか?女性の方は怯えていたのに」
「えーとですね…私はある程度歳を取っているので、これくらいではあまり動じないのですよ。それよりも、この子が怯えたことを許して貰いたいのですが…」
ワタシと店主さんの会話に齟齬がある気がする。
「許すも何も、ワタシ何にも怒ってないですよ?」
ワタシは疑問を正直に口にする。
すると、店主はポカンとした表情になる。
しかし一瞬で元の表情に戻り、話し始める。
「そ、そうなんですか…すみませんお客様、名前がイエローネームだったので…先入観でお客様が彼女を脅したりでもしたのかと…」
店主は非常に申し訳なさそうにしている。
そうか、イエローネームだとこれほどに影響が出てくるのか…
そういえば、アイテム売ったときもあのドワーフさん警戒してたし。
思った以上に不便かもなぁ。
まあ、成ってしまったものはしょうがない。
元に戻るためだけにデスペア受けるのもアレだしね。
「いえいえ、大丈夫ですよ。すみませんむしろ、イエローネームのこちらが悪いので」
今回の件に関しては悪いのはこちらである。
店主さんと新人さんは被害者である。
「ちなみになんですけど、イエローネームになった原因って、教えてもらえたりできますか?」
「ああそれはですね、実は先ほど悪質なナンパに遭いまして、あまりにもしつこかったので返り討ちにしたところ、この有様で」
ちょっと事実を歪曲してるけど、ほとんど意味は同じである。
ただ少しだけ聞こえを良くしただけだし。
それに、悪いのはワタシを騙そうとして騙された方だしね。
死人に口なしなのだ。
まあ、プレイヤーだから復活するんだけど…
「それは災難でしたね。どうぞ、お入りくださいお客様、歓迎しますよ」
店主がワタシを席に案内する。
ワタシはテーブルに備わったメニュー表を手に取って開く。
思った以上にメニューが豊富だな。
レッサーボアのステーキとかもあるし、これモンスターじゃない?
モンスターって食べれるんだ…
それじゃあ、人肉も食べられるのかなぁ?
ちょっと試してみたいな。
リアルだと不可能だと思うし。
多分捕まっちゃうんじゃないかな?
それに身体への害が大きそうだし。
う〜ん、それにしてもどれも美味しそうだな。
よし決めた!
「すいませ〜ん」
「はい!」
ワタシが怯えさせちゃった新人さんが、小走りでテーブルの側に来る。
「お伺いします!」
彼女の手には、メモ帳とインクペンがある。
このゲームは細部までこだわってあるな。
ほんとに別世界のようだ。
っと、注文しないとね。
「薬草のシチューを1つください」
「かしこまりました!それと、さっきは怯えちゃってごめんなさい!」
彼女はそう言ってワタシに謝ってくる。
「いえいえ。先ほども言ったように、こちらにも非はあるので」
彼女がワタシに謝る必要はないのだ。
そもそもイエローネームになったわけは、ワタシが故意的にあの男を殺したからであって…
(とりあえずお腹空いたなぁ)
ワタシは、厨房に走って行く彼女の背中を眺めていた。
それにしても彼女は少し危なっかしい。
あ、コケた。
まさかのドジっ子属性持ち新人店員でした…
どうもsha-k_3です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
これからも自由に執筆していくのでよろしくお願いします。