45 MOTO COFFEE
タワーレベル2も無事解決しそうだ。
レベル1にプラチナゴーレムが発現したことで、ダークマテリアルの流れが一時的に強まったようである。あれ、順番が逆か。まあ、その一時的な強い流れに流されて来てしまったのが、今回の金属ゴーレムだとブルーは言っていた。流れはすでに落ち着いている(とブルーは言っている)ので、流されてくるゴーレムもいなくなるはず、とのことである。
これで、僕とブルーのIDカードが2から3に上がりそうなのだが、今回はショコラのおかげである。ついでに上がるようなものだ。ショコラは剣聖の孫弟子にあたるので、その関係も含めてIDカードは4になると聞いている。
今日はお休みをとって、街にプリンを食べに出た。マリカさんも一緒である。ショコラは例のごとく剣の修行があるので来られなかった。
「マリカさんはプリン、食べるの初めてですよね。とってもおいしいんですよ」
僕がそう言うと、マリカさんは目を輝かせている。
僕は街にも喫茶店にも詳しくないので散策しながら探すことにした。
三人で歩いていると、なにかあったのか、街には魔導師団や騎士団が二人組になって巡回している。今までにない光景だ。
「なにかあったのかな? 巡回している人が多いね」
僕がそう言うと、ブルーが答える。
「盗賊団の『隠匿星夜』がセントディアに潜入したという噂もありますし、魔導師団でなにかあったという噂もあります。それでではないでしょうか」
「魔導師団で?」
マリカさんが、なぜか、心配そうに聞く。
「私たちが攻略したタワーで亡くなった魔導師の方がいるらしいのですが、どうもそれに疑いがかけられていて、ほんとうは死んでいないのではないか、と。」
ブルーの返事に、マリカさんが不安な表情を見せる。
僕もその二つの噂は聞いたことがある。でも、死んでないのなら、なぜ死んだことにしたのだろう?
僕が住んでいたロンドは小さな農村なので、みんな、いわばツーカーだったけど、セントディアのような大きな街は謎だらけだ。
ロンドは守られている感じはするけど窮屈、セントディアは自由だけど不安を感じる。守られていて尚且つ自由なマチに住んでみたい、でもそんなマチ、あるのかな?
それはそうと、プリンだ。
考えても、しょうがない!
オクシモロンの近くに来たところで、おいしそうな喫茶店があった。ここに入ろう。
なぜか不安そうなマリカさんも、きっとプリンを食べたら元気が出るはずだ。
MOTO COFFEEという喫茶店である。一階で注文をする。僕は深煎りのブレンド、ブルーとマリカさんはアールグレイを頼んだ。もちろんプリンも忘れない。プリンがメインだからね。
テラス席に行こうと思ったら、もう満席だった。残念。
二階に上がって白い壁面の落ち着いた部屋でのんびりと待つ。窓からはオクシモロンと同じ、川が見える。
お待たせしました、そう言って、三人分の飲み物とプリンがきた。
プリンを一口食べる。
カラメルはサラサラ系で甘め、プリンはなめらかでコクがあり、カラメルとプリンの境目はほとんどない感じ、好みのプリンである。
ブルーもマリカさんも、おいしそうに食べている。
おいしいものって食べているときは、無言になっちゃうよね。




