33 二人目の訪問者
夜、呼び鈴が鳴った。訪問者である。今度こそ、盗賊団かと思って扉を開けてみたら、探協のマルクであった。盗賊団、なかなか来ないな、待っているのに。
「夜分に悪いな。ちょっといいか。本来ならショコラと話をしたいのだが、修行で忙しいからミュート家と話をしろと言われてしまって」
そう言ってマルクは少しすまなそうな顔をしている。
まあ、僕らは忙しくないからいいけど。
マルクは上がり込んで、どかっと椅子に座った。ブルーがお茶をいれてくれる。
「先日のタワーの件は大丈夫ですよ。ショコラは行く気になっているので」
実はまだショコラに話してないのだが、きっと大丈夫だろう。ダンジョンレベル1のフラストレーションが溜まっているから、必ず行くはずだ。
「いや、その件ではなくて、ダンジョンレベル1での遺物、預かった玉のことだ」
「そういえば、あの玉はなんだったんですか?」
「調べてみて分かったんだが、あれはかなり希少な遺物で、互換の玉だった。あの玉二つが別々の場所にあると、場所が入れ替わるんだ。ダンジョンはあの玉の影響で、三階層と二階層が入れ替わってしまっていたんだな」
なるほど、モンスターハウスは、もともと三階層にあったものなのか。
「そんなにいい遺物だったんですか。よく高レベル探索者に取られませんでしたね」
「ダンジョンレベル1はあまり身入りがよくないんだ。そういった連中はあそこには入らないさ。ショコラはラッキーだったな。あんな遺物を手に入れて」
うーん、僕とブルーは人数に入っていないようだ……
「それで言いにくいのだが、あれは国への献上品となりそうなんだ」
「えっ? どうしてですか」
そんな希少な遺物なら、売れば大金持ちになるのに。
「空間転移に使える……国にとって必要なものということだ……まあ、そのうちショコラはこの件で国から褒章されると思うがな。ああ、お前らも一緒だったから、お前たちもショコラと一緒に呼ばれると思うぞ」
僕らは、やはり、おまけなの? でも、おまけも、ときには注目度maxだよね。おまけ欲しさに、商品を買うことだってあるんだから。
しかし、国に取り上げられるのなら、玉を手に入れても、ラッキーではないような気もするが、どうなんだろう。
マルクは最後に、ショコラに伝えておいてくれ、と言うと、さっさと帰っていった。
ブルーはお茶を片付けながら、
「ラッキーでしたね。これで王と繋がりが持てます」
そう言って、フフフと笑っている。
そっちのラッキーなの?
でも、王と繋がってどうするのさ、そう僕が尋ねると、
「国を乗っ取るのです。盗みを働くのなら、大きいモノを盗みましょう」
いやいや、国は、僕のポケットには大きすぎらぁ。
それにしてもブルーさん、何か企んでますか?




