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31 アンリエッタの未来 

 魔導師団上層部はアンリエッタの活用について考えを巡らしていた。


 アンリエッタは蝶二十頭を召喚することができるが、戦闘力はほぼないといっていい。魔力は強いようだが、蝶のコントロールでほぼ手一杯のようだ。

 調査であれば、魔術師で十分可能だ。突発的な戦闘にも、魔術師であれば十分対応できる。


 アンリエッタの出番となるような任務がなかった。


 ダンジョンレベル1の調査にアンリエッタが指名されたのは、実地踏査にアンリエッタの蝶が役立つと予想されたことのほかに、重要な目的があった。異世界の中で、アンリエッタと蝶とは、どのくらい正確に情報交換できるのか、その試行実験である。



 結果は上層部の期待以上だった。


 アンリエッタの新たな活用の仕方を指導部は確認できた。


 スパイとして活用である。


 異世界はパラレル構造であり、他のパーティーの体験を確認できない。

 しかし、アンリエッタの蝶をそのパーティーにつければ、本来はわからない、確認のしようがないそのパーティーの行動、異世界の状態がわかる。


 上層部は、アンリエッタの可能性をさらに確認するため、新たな計画を立て始めた。



 ○



 そんなことをしても無駄だろう、気休めにしかならない、そう思いながら、アンリエッタは蝶を放った。



 うそ? 生きてたの? なんで生きてるの? ……いや、生きててほしかったんだけど……でもなんで? なんであのモンスターハウスを生きて出られるの?


 しかも、もう、見つかった。


 蝶からの報告に、信じられない思いだった。生きている。しかも、のんきにセントディアの街を散歩している…………



 男に気づかれずに家まで尾行するよう、蝶に指示を出した。これであの男のことがわかる!




 住居から調べると、コーレストの隣家に住む甥、ギャレット・ミュート。姉のブルーと住んでいる。


 蝶からの情報では、姉はジャミングが入るので、魔術師のようだ。きっとあの時の一人だろう。




 アンリエッタは昨日の報告で、三人組は助からない、死んだと報告した。

 今日朝からの情報で知り得たこと、三人組は、どう戦ったのかわからないが生きている、このことを報告すべきか悩んだ。


 当然、報告すべきである。


 しかし、自分は三人組に助けられた恩がある。もし報告したら、きっと上層部は、念のために、この三人を調べようとするだろう。どうやってモンスターハウスを脱したのか、三人の危険度、などだ。必ず迷惑がかかる…………


 悩んだ末、報告はしないことにした。



 ただジュリーにだけは、今後のことも考えて、話すことにした。

 私と同じ思いをきっと共有できる、そう信じて。


 命を助けてくれたお礼にクッキーを焼いてプレゼントしたいところだが、自由に外出できる身ではない。ジュリーに頼んで渡してもらおうか。彼女なら騎士団なので、自由に外出できるときもある。


 ジュリーの新たな任務ーークッキーの宅配ーーのためにも、ジュリーにこのことをきちんと話して、理解を得よう。二人だけの秘密にしてもらおう。

 そうアンリエッタは考えて、魔導師団と騎士団のスケジュールを確認し始めた。





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