27 ダンジョンレベル1 腕試し ①
あくる日の朝早く、僕らは出発した。
ショコラとブルーはローブを着て、フードをかぶっている。
僕はいつもの探索者の姿だ。
腰にはショートレイピアがぶら下がっている。
ダンジョンレベル1は地下三階層の異世界である。
僕は、ダンジョンは初めてだった。噂のダンジョンなので、怖くもあったが、ちょっと楽しみでもあった。
ブルーが、いるもん。
そんな感じである。
林を抜けて、ダンジョンに近づくと、黒揚羽蝶が一頭、枝で羽を休めていた。
蝶はなんだか気楽そうでいいなあ、そう僕が思っていると、ブルーが蝶に声をかけた。
「揚羽さんも、私たちと一緒に探索に行きませんか?」
ブルーさん、本名は『しのぶ』さんではありませんか?
「私たち、おともだち、なんです」
ブルーのことばに、ショコラはひいていた。
誘われた揚羽さんは、不思議なことに、ほんとうに不思議なことに、ついてきた!
ブルーのともだちだったの?
揚羽さんは、僕たちの周りを、円を描くように飛んでいる。
まさか、僕たちと、縁があるということ?
揚羽さんを連れたまま、エリア内に入ってしまった。
おおーっ、ダンジョンにまでついてくる!
すぐ横を、僕と並んで水平飛行している!
めちゃくちゃ懐いている!
なんて、かわいいんだろう!
ダンジョン内はあまり暗くなかった。
光る石があるおかげで、月明かりほどの明るさだ。これならダンジョンでも、中が見やすい。
「この光る石の精製、結晶化に成功した一族、浮遊城の神話を知っていますか?」
ブルーが僕とショコラに尋ねたが、二人とも知らなかった。
話はすぐに終わってしまった。ブルーはちょっと残念そうだ。その神話が好きなようで、語り合いたかったようだ。
ショコラが得意げに話し出す。
「ダンジョン攻略のために、マーガレット師匠から【探知】を習ってきました! 迷路の中、ゴブリンを探すのは大変だからねー。私ってすごくない?」
うんうん、すごいね。
「さすが、ショコラ! さっそく探してみて」
心の声ではないほうで、ショコラをほめる。
「今日はブルーさんも、ギャレットも休んでていいよ。私がぜんぶ、やるから。なんてたって腕試し! 今日がデビュー!」
ショコラ、腕試しはわかるけど、なににデビューするの?
「それじゃあ、まあ、適当に休んでいるから」
ショコラの腕試しだ。昨日、あんなに来たいと言っていたのだし。
僕はそう言って任せることにした。
一階層で見つかったゴブリンは全部で七体、ばらけて、一体ずつ。【探知】で見つけたあと、ショコラは風刃であっという間に霧にしてしまった。
揚羽さんは僕らの近くを、相変わらず親しげな素振りで、飛んでいる。
地下ニ階層の階段も現れた。
さあ、下りてみようか。
なんだかあっさり攻略できそうな気がしてきた。




