1話 |同調現象《シンクロ》
ここはとある世界、荒れ果てた荒野に傷だらけの一体の巨大な禍々しい龍と、武器を持った人間達がいた。
「許さん、許さんぞ人間共よ。」
その龍_呪龍カースは憤った。ときには協力し国を守ってきたのに、なぜ我にその刃を向けるのか。なぜ、古き盟約を破ったのか。
「もう、我慢ならん。手加減はしない。」
そう言い、我が身に残るなけなしの魔力を振り絞り、とある魔術を使おうとした。
一方その頃、地球の某所にて。
「いける。今度こそ勝てる。
一人の男が、あるゲームをしていた。
そのゲームの名は、「Over world Eden」、世界初の全世界同時MMORPGである。
故に、画面上には万を超えるプレイヤーがいる。
その誰もが同じ国に属しているわけではなく、チャットでは、英語が飛び交っている。
彼らと戦っているのは呪龍カース。このゲームで最も有名なアーミーボスである。
その理由は、サービス開始時からいるのに、1年以上たった今でも倒すどころか、半分以上の体力を削った事例がないのである。
だが、目の前にいる呪龍は半分どころか、四分の一しか体力が残っていない。
そう、彼らは、呪龍に対して王手をかけたのだ。
だが、呪龍はそれほど柔ではない。
そレは、口を大きく開け。
「「滅びよ」」
その声は二重に聞こえたような気がしたが、そんなことに気をつけることもなく、男は気絶した。