プロローグ
男が目を覚ますと、目に飛び込んできたのは空の青さだった。背中からは、衣服の布地を通して、下草の柔らかさと地面の冷たさが伝わってくる。
「……どうして俺は、こんなところに寝転がっているんだ?」
男が体を起こし立ち上がる。
黒いスーツとその上に着た白衣についた草を払いつつ、周囲を見渡す。
一面の草原に、男は唖然とする。
こんな場所に来た覚えがないと、男は頭を振ってから自分の記憶を確かめていく。
「俺の名前は円座 才牙(さいが――これは世を忍ぶ仮の名前で、真実は悪の秘密結社イデアリスに所属する、開発改造統括責任者モディファイアー。世界統治を目指す我らイデアリスに敵対する、運星戦隊セイレンジャーがいた」
そこまで呟いたところで、才牙は自分のベルトの上にある金属装置を見やった。
「そう。セイレンジャーの変身ガチェット、星力腕輪を解析して作った新装備。バロウバックルと次元エッセンスを用いて、秘密結社の建物を陥落させたセイレンジャーと戦いになったのだ」
才牙はようやく、ここにいる前の状況を思い出した。
新しい物語、始めました。
よろしくお願いいたします。