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戦いの行方

「うわぁぁあああ。」体が勝手に動く。冒険者になって20年磨き続けた素早さとそれによる回避。一つの無駄もなく流れるような動き。攻撃の影響範囲を正確に計り、円状の軌道でそれを回避するとともに裏へ回り込む。そのまま無心で右ストレートを叩き込む。魔人が吹き飛んだところでふと我に帰った。


なぜ動けた?自分でも分からない。倒れ込んだ時には腕を上げることすらできなかった。それがなぜあの短時間で?いや、そんなことは後だトドメを、と魔人の方へ一歩踏み込むと同時に体から力が抜ける。そのまま倒れ込むと、先ほどのように全く体が動かなくなる。


「なぜ動けるのです?」そう言って口もとの血を拭いながら魔人が立ち上がる。


「やはりあなたは危険です。ここで確実にトドメを。」


その時、2体の龍が急降下して来る。聖龍となったロイと灰色の龍だ。


「神龍と聖龍?なんの用です?100年前の約定を破り、魔族と敵対するつもりですか?」


「あれは約定などではないよ。ただの命令だ。そしてそれができるだけの力の差が我らと魔族の間にはあった。だが、その一方的な命令をも破棄し、再びお主ら魔族は、この地上を征服しようとしているのではないか?」灰色の龍がそう問いかける。


「征服ではありません。我々もこの地に棲む権利がある。元の棲家に戻るだけのことです。それを誰が止められるのでしょうか?」


「それならば我らは立ち向かわなければならぬ。命を賭してでも。この人間は希望よ。我ら弱き地上の生物を導く者とみている。おぬしらにやらせるわけにはいかぬよ。」そう言うと灰色の龍は、力の宝玉を取り出し、飲み込む。


「100年前自ら差し出した力をここで取り戻すのですか。それは我々魔神に対する敵対行為ですよ。分かっていますか?」


灰色の龍は何も答えず魔人を睨むと、回復魔法を俺にかける。俺の体の傷がみるみる治っていく。


「力を取り戻した神龍と聖龍。それに上限突破した人間ですか。さすがに1人では手にあまりますね。ここは一度引きますが、思い出してくださいね。100年前、魔族に逆らった者達がどうなったかを。」そう言うと魔人は即座に姿を消した。

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