表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/41

脱出

 「残念ね。本当はもっともっと苦しませて殺してあげたいけど、時間もないし。それに身体にあまり傷をつける訳にはいかないから。」


 背中に悪寒が走り近くにいるだけで自分が闇に飲まれるような感覚に襲われた。この先にいる男と女は自分とは隔絶した実力を持っている。戦えば肉食動物に狩られる草食動物のようにアッサリと殺されるだろう。


 おそらく公爵家の息子は殺された。そしてここにいることが見つかれば俺も確実に殺される。


 恐怖に呼吸が乱れ、心臓の鼓動が大きくなる。


 落ち着け。俺は誰だ。万年D級冒険者のロート・ルクスだ。


 まずは呼吸を整えるぞ。深く息を吸え。


 自分に言い聞かせながら、一つ一つできることを思い浮かべることで思考をクリアにしていく。


 奴らの目的が公爵家の息子を殺すことなら目的は達成された。後始末が終わればこちらに引き返して来るだろう。すぐにかつバレないようにこの場から離れなくては。


 「早く例の奴を。」男が言う。


 「分かってるって。相変わらずアンタは堅いねー。」

女がそう答えた後、ズルズルと何かを引きずるような音がする。何をしているかは分からない不気味な音に緊張は高まる。


 が、今しかないだろう。そう思い走り出した。


 スキル忍足によって足音をたてることなくその場から立ち去る。


 「ギギッ。」


 その時最悪なタイミングで魔物が現れた。最大限の注意を奴らに払っていたせいだろう。ギリギリまで気がつかなかった。魔物との距離は1m。


 「このタイミングはないだろう。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ