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第1玉

オカマルは正しくいきり男子です

人生初の異世界体験と思って入ったオカマバーごと異世界転移してオネエ無双見せられています夢かな精神的にいやーきついっす


第1玉


 俺の名前は藤岡 満琉みつる社会人一年生。大学卒業後も就職が決まらずブラブラしていたが、いい加減両親にキレられて学習塾の講師に納まった。一応念のためにとっておいた教員免許が役に立ったわけだ。

 念のためといえば、念のために言っておくと俺はノンケだ。完全なるストレート。女好きの男。

 なんでそんなことをいちいち言っておかなくちゃいけないかっていうと、藤岡の「オカ」と滿琉「まんる」→「まる」で「オカマル」っていう不本意なあだ名で学生時代呼ばれていたからだ。

何故だ?俺はこんなに女好きなのに!

 しかしだ。ついに俺にも、おかしなあだ名のおかげで報われない青春時代だった俺にも、遅いアオハルがやってきたのだ。

「今日はんデエエエエト!!ざまあみろ!俺はノンケだあ!」

「・・・・・・」

 同僚の地味系男子がまるで、俺が謎の奇声をあげているかのようなジト目で俺を見ている。多分間違いではないが。

「まあいい、君のような草食系男子は家に帰ってニジゲンヨメとやらとよろしくやりたまえよ」

「え!?なんかわからないけど急に酷いこと言われてる?」

 その後俺は軽やかに仕事を終え、学習塾の駐車場で待ち合わせの相手を待った。

 俺は車を持っていないが、表玄関で待ち合わせては生徒たちに冷やかされてしまう。

「それも悪くないか・・・」

 思わず想像で顔がにやける。が!

 しかしそこは女子に対して気遣いのできる俺、藤岡滿琉を見せつけるのだ。

「お待たせしてすみません藤岡先生、でも先生今日はえらく速かったですね」

背後から聞こえる、俺の心を震わせる涼やかな声。待ち合わせの相手、大古家小夜子おおこげさよこさんだ。担当教科も違う俺を飲みに誘ってくれたということはきっと俺に好意を持ってくれているに違いない。

知的な眼鏡に染めてない黒髪の、清楚なお姉さんである。仕事柄派手な格好はしていないが、素材は充分にいいものを持っていると俺のイイ女探知機スカウターは反応している。

「戦闘力50万超え・・・だと・・・!?」

「何をブツブツ言ってるのかなあ?」

 と、小夜子さんとは別の声が。

「てお前もいるんかあ~い!!」

 かあ~い、かあ~い、かあ~い・・・

 俺の振り向きざまツッコミが空しく響く。

「あはっ、藤岡先生相変わらずハイテンションで面白いですね」

 小夜子さんが可愛らしく笑ってくれたがリアクション、ちょっと遅いです。

「じゃなくて草食動物!お前もついてくるのかよ!!」

 愛しの小夜子さんとの逢引きに空気を読まずに現れたのは同僚の女良一男めらかずお、地味で眼鏡でチビな草食系男子だ。ちなみに草食系というのは俺の勝手な見立てである。

「ご、ごめんよう、大古家さんから藤岡君も来るって誘われたから・・・知ってるとばかり・・・」

 ただでさえ身長の低い女良が、どんどん縮み上がっていく。

「勘違いするなよ、小夜子さんのは知的眼鏡で、お前のは地味眼鏡だからな!分をわきまえろよ」

「なんで唐突な女尊男卑!?」

「仕方ねーな!今日は金光義塾の時代を担う若手3人で、輝かしい未来について語りあかそうじゃないか」

 俺は女良の肩に腕をまわして、ちょっぴり残念な気持ちを押し隠し陽気にふるまった。

「で、小夜子さんの行きたい店ってどこなんです?」

「3・6街のオカマバーなの!」

「・・・は?」



本日のオカマバーあるある

「ノンケはノンケという言葉を使わない(知らないから)」

ただし近年ネットなどにより一般にも知れ渡っている感あり


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