8/1038
開幕1-3
開幕1-3
お姫様は軽い会釈した後 再び席に戻る。
「あなた方の姿が私達に近いとは思っておりませんでした」
壱人の侍女が椅子を引き 魔王と姫を向かい合わせた。
別の侍女はお湯を注ぎ 紅茶を淹れる。
又 別の侍女は洋菓子を切り分け 皿へ。
「怖がらせしまっては、失礼と思いまして」
引かれた椅子へと腰を掛ける魔王。
侍女は“その動き”に合わせて 椅子を動かしていく。
「私を軟禁しておいて“失礼”もない。と、思いますが?。」
魔王の前に次々と用意されていく 淹れたてのお茶やお菓子。魔王は軽く口を付け 紅茶で喉を潤す
「儚い灯火が多く消え失せたという報告は耳に入っておりましたが、このような形に変えてしまいう。ということは?」
魔王は目を伏せたままカップを置いた。
姫は“それだけ”で理解した。