77/1115
開幕1-17
開幕1-17
人の間で今 魔王討伐に壱番近いと言われている勇者が海沿いに建てられている小屋で目を覚ました。
「此処は?」
足が隠れてしまう程 長いワンピースは大きくまるで壱国のお姫様が着こなすようなドレスに近かった。
「経緯は知らんが、海で溺れてしまいそうだったから助けてやった。食べられるか知らんが。今、身体が温まる物を作っている最中だ。ママ(魔々)なら、胃に優しいスープでも拵えてくれるだろうが。私はそういう細かいのは苦手なんだ。海の幸を豪快に斬って鍋に入れた奴で良ければ、お代わり構わないぞ?」
勇者は直ぐ様 察した。
目の前に居る女性は魔族だと。
勇者は人魚だと思い込み身体を起こした。
「何故、助けたんですか?」「助けるのに理由なんて要るか?。」勇者の問い掛けに振り向きもせず、女性は即答した。
勇者は女性の不慣れな姿に心が擽られた




