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開幕1-15
開幕1-15
入って来た兵士の報告を受けた髭が濃い男は望遠鏡を覗き込む。矢文に書かれていた神話に出て来る姿形の女性が口元を右手で覆い隠しながら、こちらへとやって来る。
「飛んで火に入る夏の虫だな」
髯が特徴的な男は鏑弾を込めた銃を空へと向けて撃つ。轟ながら空高く紫へと色を染める。
反り込み鬚の男が「“あれ(女性)”を討ち取った者には金壱封差し出す。」と、言い終わった瞬間。水土塊が兵隊を包み込み、戦闘不能にしてしまった。
髭が濃い男は「姫の国に工作を仕掛け、治めている者を入れ替えに賛成する者は起立お願いしたい」
水土塊はそのまま 城へと纏わり付き、戦闘不能の兵士を壱名づづ、中庭へと仰向けに寝かせて行く。
反り込み鬚を叩きながら「工作案件が可決したのは良いが逃げられんぞ?。水土塊人形に城が包まれているからな」