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焔魔々1-19
焔魔々1-19
門兵。開けな。私と戦うつもりかい?。
正装しているんだい。穏便に済ませようじゃないか
私は跳ね橋の向こう側へと意識を向ける。と、跳ね橋が降りて来る。咄嗟に門兵が後ろを振り返った。
わからないかい?。土塊に決まっているじゃないか?。指名制の領主宅にお邪魔しようとしたんだけどね。気が変わった。治めている人間の城を訪れることにしたよ。
事前の面会予約?。良いんだよ。今回“人間”に興味無いのさ。“記録”を読みたいだけさね。守秘義務?。興味無いね。守れるものなら守ってみな。“その為”の兵士だろ?。
私は左手を腰へと当てて門兵を挑発した後、正装しているんだった。と頭を横切ったので、私は息壱つすると。
私に見下されているのを理解した兵隊の悔しげな表情の中、左手に女性鞄を持ち直してから私は掛けられた跳ね橋を悠々と渡り歩いて行く。