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開幕1-10
開幕1-10
闇夜の中から異形の影が浮かび上がる。
数えきれない怪物がその姿を現す。
国に張り巡らした魔法陣は城下町を中心に描かれてて、映像を投影させていた。
この国の王子のお姫様を愛する想いが
この国の王子のお姫様を恋する気持ちが
二つの思いが円の中心となって反映されているようだった。魔王は解っててこの国を選んだのだ。“それ”を理解した王子はその握りしめた拳からポタポタとこぼれ落ちる。
王子が産まれる前から遣えていた乳母は優しく手を取り、布でこぼれ落ちる“それ”をきつく縛る。
兵士が王子に声掛けした。
王子は直ぐ軍隊の出勤を命じます。
赤の鏑弾が轟ながら空へと。
神出鬼没の魔物に疲労して兵隊を各個で向かわせても返り討ちにされるだけ、部隊を纏めて魔物に対抗させる。王子はそういう作戦だと伝令兵を走らせた。