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手芸娘1-10
手芸娘1-10
‘お嬢様’と呼ばれたお方は壱目瞭然だった。
全てにおいて。私達とは何もかもが違い過ぎた
顔立ちから肌に服装、何から何まで。違っていた。あまりにも違い過ぎて、同じ同性とは思えない。壱言で表したら特注した“お人形”さん。
……。というか私達が作った物。要る?。
私達は継ぎ接ぎの服装、色褪せ、何度も針と糸と布で補正を繰り返した。絵に書いた貧乏人。お嬢様は絵に書いた言葉通りの“お嬢様”。
場違い。なんてものじゃない。
光が照っている場所で自身が輝いてるお方
私達は細々とした人壱人程ちょこちょこと、身体の向きを路地裏に合わせながら移動する溝鼠。
私達とお嬢様との対比というか大差というか、産まれた場所でこんなにも違うんだ。張り合おうとか 微塵も頭の中を横切らないよ。