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序幕1-1

序幕1-1


この物語を始める前に語っておかなければ不可(いけな)い“きっかけ”がある。『魔族』と呼ばれる種族達の物語だ。


人間達の間に生じていた“ズレ”。その“ズレ”はささやかな“ズレ”だった。魔族達は種族間の“ズレ”と認識し笑って過ごして日常を過ごしていく。


ある年 日照りが特に長く続いた月日があった

又ある年には 長雨が随分 続き、村人達が行き先を失った年があった。

更に 医師が匙を投げるような奇病が流行った年があった。


人々の不満は貴族に向けられた。

貴族や王族達は悪魔の責任にした。

魔族達に怒りの矛先が向けられていく。


蓄積していく不満はいつしか、打倒魔族 打倒魔王へと代わりいく。

歪められた思想と正常な判断が行えなくなった民衆は『勇者』を求めた。

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