表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/13

テスト一日目

学校中に鳴り響くチャイムが本日の授業の終わりを告げた。


終わったーー。



まず一日目のテストが終了した安心感で、私は机に顔を伏せた。


その瞬間、魂が抜けるのを感じる。

今回のテストいつもより難しくてほぼ白紙だった…。

これは赤点取ってしまうかもしれない…。


今朝、一也くんは、美優が同じ大学に行けなかったら結婚しようと言ってくれたけど、美優が想像以上のバカだと知ったら嫌われてしまうかもしれない。


それは絶対にイヤだ。

一也くんに嫌われるだけは絶対にイヤだ。


だけど…。


しばらく落ち込んでいたものの。

今日終わってしまった事はもう仕方ない。

明日のテストを頑張ろう。

と開き直って顔を上げると。


「わ」


目の前に一也くんがいてかなり驚いた。


「テストお疲れ様、はい、頭使ったから糖分取って」


と言ってキャラメルを差し出してくれた。


しかも、美優の好きなアーモンド入りのキャラメル!



「ありがとう、一也くん」


「ふふ。それにしても…」


と、美優の隣の席に座っている、中国人留学生の(ワン)くんを見てから続けた。


「王くんはとても羨ましい人間だな」


「ん?」


「だって、美優の隣で授業を受ける事ができるんだよ、最高の環境だよね、早く席替えして欲しいな…」


「一也くん!」


美優本当に愛されてる!


ただ席が隣のクラスメイトにもこんな嫉妬しちゃうなんて、何て可愛いの。


「大丈夫、美優は永遠に一也くんだけのものだよ」


あ…。


一也くんの言葉が嬉しくて、ついやってしまった。


幸せの余り、一也くんの手を握ってしまったのだ!


その瞬間、真白な顔を真赤にさせて、某アニメに出てくるスーパーサ⚪ヤ人のように髪の毛を逆立てて(あくまでも比喩です)、瞬き1つせず固まってしまった。


「か、一也くん?」


「あ…え…と、ごめん」


手を慌てて離した一也くんは動揺で立ち上がれたものの、おぼつかない歩き方であちらこちらの机にぶつかりながらその場を去り、廊下の方に向かって行ってしまった。


大丈夫かな?一也くん。

まぁ、一也くんの事だから、少し時間置けばまたいつもの冷静な一也くんに戻るはず。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ