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五月蠅い放課後の校舎を後にする少女は
大音量のヘッドフォンをつけて歩く。
「今日もバイト、か。」
急ぐわけでもなく、
しかし早足の彼女から舌打ち。
「隕石でも落ちてきて、
臨時閉店すればいいのに。」
呟くものの、現実は変わらない。
そんなことは彼女だってわかってる。
隕石なんて落ちてこない、と。
「……あ。」
少女のポケットから
ネックレスがこぼれ落ちる。
落ちて光るそれを見つめて
しばらく突っ立っていた彼女は
涙をこぼした。
何度もその大きな瞳から
大粒の涙がこぼれる。
ネックレスを拾い、握りしめても尚、
涙をこぼし続ける少女は
小さく小さく呟く。
「…別に、隕石とか、非現実的な事、
本気で望んだりしてないけどさ。」
少し笑って、涙を拭う彼女は
また早足で、歩き出す。
「あたしは、あんたが会いに来てくれれば、
それだけでいいのにな。
…まだ来てくんないんだね。」
唇を噛みしめて歩く少女の瞳に
また、大粒の涙。