2×××年9月3日(金):~14日(火)まで(山吹)
大変お待たせいたしました。
何時も通り二話投稿しています。
9月3日(金)
今日は、【王都・西】へやって来た。
誰かが造ったらしいプレイヤーサイズの橋を渡る。
十中八九、牡丹さんやろなぁ。
【ヘビの森】でヘビ型のモンスターと戦いながら、今朝見たニュースを思い出した。
ネズミが増えた都会で、ヘビがぎょーさん繁殖しとるって。
昔と違って、野良猫居らへんもんな~。
『牡丹さん。練習しませんか?』
ヘビ型モンスターを狩っていると、飛鳥さんからコールが来た。
「せやな。今行くわ」
うちはそう返事して、マーカーと転位石を使った。
生産施設で、飛鳥さん達と合わせる。
選んだのは、高校時代に流行った曲。
「中々、難しいですね」
ドラムスのジェイクさんが愚痴を零す。
「そうですね。リアルと違って、融通利きませんし」
サフランさんがそれに同意した。
音ゲーやもんな。ちょっとでもずれたら評価下がるし。
「しかし、恐らくは、イベントで評価するのはプレイヤーだろう? 少しぐらいずれても大丈夫なのではないか?」
「私もそう思います」
グレープさんの意見に飛鳥さんが同意する。
「どっちでも良いから、練習しようぜ」
ルートさんが皆を促した。
「そう言えば、ギルマスって誰なん?」
「俺」
ルートさんの返答に、うちは驚いた。
「え?! 意外~! うちはてっきり、グレープさんかジェイクさんかと」
「『人を纏めるのは、性に合わない』んだってさ」
「へ~」
確かに、ジェイクさんはそんなイメージ。
9月7日(火)
土・日は、日中は【温泉の街】を目指して進み、夜はバンド練習をした。
月曜もバンド練習をし、そして、今日。
牡丹さんからのメールを確認したうちは、飛鳥さん達にメールで用事が出来たから一時間ぐらい遅れると伝え、【温泉の街】を目指した。
門番と会話をして街に入ると、プレイヤーサイズの宿が目に入った。
此処か。
「は~。良い湯やな~」
牡丹さんと合流して、うち等は温泉に浸かった。
「大きい風呂は良いですね~」
「せやね」
窓から見える景色も、紅葉が美しい。
「あ~。リアルでも温泉行きとうなって来た~」
日帰りで行こうかな?
「ですね。でも、リアルだと景色見えないし」
「え?」
うちは一瞬、牡丹さんの言葉を不思議に思った。
「私、目が悪いので、眼鏡しないとぼやけて見えるんですよ」
「ああ。それは、不便やな」
「そうですね」
9月11日(土)
今日は、日帰り温泉に行って来た。
中々良い所やったな。お肌もスベスベや。
今日はまったりしたいし、ゲームやらんとおこう。
一応、ルートさん達には昨日の時点で、今日はログインせえへんかも言うてあるし。
9月14(火)
日・月とバンド練習をして、今日。
イベントのアップデートがあった。
<アップデート内容のお知らせ>
<1.イベント『芸術祭』の開催>
期間は月曜まで。参加賞有り。
音楽部門:一人に付き複数のアビリティを使用し、会場を盛り上げましょう。
美術工芸部門:出品作品が会場に展示されます。マニュアル制作限定。
いずれも、皆様の投票により受賞者が決定します。
<2.イベント『収穫祭』の開催>
<3.イベント『体育祭』の開催>
一人に付き複数? 弾き語りっちゅー事かな?
飛鳥さん達と相談せんと。
「音楽系のアビリティでなくても良いそうですよ」
運営に確認したらしいジェイクさんが、そう教えてくれた。
「そうなんや。じゃあ、何にしよ?」
話し合いの結果、魔法アビリティでエフェクトかけたり、【軽業】でバク転等をする事にした。
うち等の演奏は、まずまずの盛り上がりを見せた。
期間中、参加者の演奏動画を閲覧する事が出来、それに対する投票の回数制限は無い。但し、一度投票したグループへの再度の投票は出来ない。
得票数は常に公開され、リアルタイムで更新される。
「どうして、ボクの動画が消されているのよ!」
聞き覚えのある声に振り向けば、愛守姫がGMに向かって喚いとった。
「ですから、複数のアビリティを使用していないからです」
「上手ければ別に良いじゃない! 皆、ボクの動画で盛り上がるに違いないわ!」
「ルールですので」
GMは、淡々と返す。
「無意味なルールなんて、止めてしまいなさい!」
「次回のイベントの参考にさせて頂きます」
「今よ!」
「検討致しますので、一週間ほどお時間頂きます」
「イベントが終わるでしょう! 好い加減にして!」
愛守姫が、GMの肩を掌底で打ちおった。
「規約違反を確認しました。愛守姫さんのアカウントを一ヶ月凍結します」
「何ですって?!」
次の瞬間、愛守姫の姿は消えた。
強制ログアウトされたんやろなぁ。
「お騒がせしました。引き続きイベントをお楽しみください」
そう言ってGMは去って行った。




