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2×××年8月1日(日):正式サービス開始日(牡丹)

※去年の変更内容については削除しました。

2016.05.11 取得AP等変更した為、修正しました。

 今日は八月一日日曜日。

 正午から【エール】の正式サービスが開始したっけど、おれは仕事があったので二十時頃に『コクーン』を起動した。

 はー……眼鏡を外してんなさ、くっきり見える! 流石、目が見えね人・耳が聞こえね人でも普通に遊べると噂されっだゲームだ。乱視ぐらい訳はねーな。


 最初に表示されたのは、OPムービー。

 曲に合わせて映像が表示される。鳥視点で町や草原などの様々な景色が表示された後は、プレイヤー(?)が料理したり・刀を鍛えたりなどの生産活動をしている映像。その後に、山道を歩いたり・ダンジョンらしき場所で宝箱を開けている場面。更に、巨大な気持ち悪い蜘蛛を相手に戦う十人以上の天使(?)達が一人一人秘奥義っぽい強力なスキル(?)を使うのがアップで表示され、最後に邪神教団の神官なのか白いローブの集団。その内の一人の暗黒微笑をアップで表示して終了。

 次に『出演』の文字と二十人ぐらいのプレイヤー(?)名。

 最後に、『次回からOPはスキップ出来ます』と表示されて、キャラクターメイキング画面が表示された。


<雷音さんの特典1200APを加算します>


 湯月が使っていたプレイヤー名は『雷音』か。確か、先程の出演者の中にその名を見たような……。どのキャラなのか、後で聞こう。

 それより、特典多過ぎね? 初期値と合わせて1250Pって……。気にしてもしょーがねーから、キャラ作っか。

 先ずは、おれそっくりの外見を変更する。リアルの知り合いが居っかもしんねし。

 で、顔だけ変えた。他はそのままでもバレねろ。あ、やっぱり、髪型は変えっか。長髪ポニーテールさ。

 次は、アビリティか。

 メインは十個だけど、幾らでも覚えられるらしい。

 大量に表示された一覧を見ながら悩んでっと、右下に『お勧め』というボタンが在る事に気付いた。

 それを押してみっど幾つかの質問に答えさせられ、その後、表示された『貴女にお勧め』というアビリティを片っぱしから覚えて行く。隠しアビリティが出現したり・アビリティが統合したり・APが戻って来たりして、最終的に八個だけを覚えでた。


メインアビリティ

 【飛行】Lv1(移動不可)

 【総合強化】Lv1 【忍者】Lv1 【魔導師】Lv1

 【状態異常無効】 【総合生産】Lv1 【総合採集】Lv1

 【記録】Lv1


 以上。残り35AP。

 最後に名前を……雷音→ライオン→獅子→獅子と言えば牡丹。という訳で『牡丹』にした。

 『確定』のボタンを押す。


<確定後のキャラクターの作り直しには1万円必要です。このキャラで本当に宜しいですか?>


 そう言われっと不安になんなんけど。身体強化・物理攻撃・魔法攻撃・状態異常無効がちゃんと有っがら、良し!

 もう一度『確定』ボタンを押す。


<『牡丹』さんを作成しました>


 すると、下着姿だったキャラが赤茶色の忍び装束に変わり、天使の輪っかと背景が透けて見える二対の紫紅色の翼が表示された。

 OPでも翼の色は色取り取りだったっけな。でも、天使っぽくねー。おまけに忍び装束だし。


<貴女がログインするのは、第10サーバーです>


<テルスパエラに移動します>



 数秒画面が白くなった後、目の前に三対の白い翼を持った美女が現れていた。

「最後の街『ポンスウィークス』へ、ようこそ」

 最後?

「あ! 来た来た! こっち来てください!」

 男の人の声に振り向くと、大勢のプレイヤー(?)が何列かに並んで座っていたので吃驚した。

 皆振り向いて注目してっし! ちょっ、見ねでくれ!

 でもまあ、おれが皆でも、待だされだ(?)上に忍者来たら、見っよな。

 皆の向こうに立ってる人達にも天使の輪っかが有っけど、皆にはねーな。もしかして、これも特典?

 慌てて皆の後ろに座っと、同じように隣に座った女の人が居た。この人さも天使の輪っかが有る。

「これで全員揃ったようですね」

 良がった。最後がおれ一人でねぐって。

「先に来た人達には言ってましたが、βテスターとして【アンゲロスライフ】の説明を皆に纏めてしたくて待って貰っていました」

 一体、何時間待たせだんだ? 申し訳ね。

 右下の時刻表示を見ると、二十時半頃だった。

「先ずは自己紹介しますね。私は飛鳥」

 白色の髪でピンク色の目の男性。

「隣がグレープ」

 紫色の髪で緑色の目の男性。

「その隣がルート」

 オレンジ色の髪で赤色の目の男性。

「彼の隣が銀河」

 黄色の髪で黄色の目の男性。

「その向こうがサフラン」

 紫色の髪で紫色の目の男性。

「最後がジェイクです」

 水色の髪で水色の目の男性。

 六人共、騎士らしぎ格好だ。

「この輪っかが有るのはテスターだけなので、彼方のお二人もテスターですね」

 こっちさ注目向けんな!

「尚、この輪っかは現在非表示出来ない仕様のようです」

 なん……だと? つまり、変装しても意味ねーって事が?! 目立ちだぐねーなさ!

「後、違いとしては翼の数ですか。私達は二対ですね」

 でも、今は誰も翼が出てねー。

「そして、後ろの三対の翼の天使は、NPC『サポート天使』です」

 皆もおれも振り返ると、天使はニコッと微笑んだ。


「はい。続けますよー」

 その声に向き直る。

「さて、既に建物を見てお気付きの人もいらっしゃると思いますが、私達プレイヤーは、巨人です」

 え? テレスパエラの人間って小っせな?

「ですから」

「おい!」

 説明を遮ったのは数人前の行に居た男性だった。

「そんなどーでも良い話に、これ以上、俺を付き合わせんじゃねーよ!」

「これから重要な話を」

「おせーんだよ! 俺はもう行くからな!」

 そう言って彼は立ち上がったけど、不思議と他には誰も立ち上がんねがった。

「チッ! どいつもこいつも、自分の意思がねーのかよ!」

 そう言い捨て、がに股でドスドスと足音荒く去って行く男を、皆無言で見送った。


 直ぐに説明が再開されて、五分位経った頃だど思う。

「ですから、パーティを組んで」

 説明をしていた飛鳥さんが口を閉じて此方をジッと見でっがら振り向くと、ボロボロの防具を纏ったさっきの男がサポート天使の前に立ってだ。

「情報って大事ですよね」

 ジェイクさんがフッと嗤った。

「ログアウトは、サポート天使に頼むんですよ」

 サフランさんが教えでやっど、そいつは「ログアウト!」と怒鳴って消えた。

 変わった髪型してだがら、皆さ覚えらいで恥ずかしって削除すっかもな。



 んで、今の男が来る前までどんな話ししてだがって言うと。

「えーっと。私達、巨人です。まで言いましたっけね?」

「ああ」

 サフランさんが確認すると、ルートさんが肯定した。

「ありがとう。……テレスパエラの人間とはサイズが違いますので、武器も防具も売ってくれません」

「え?!」

 誰かが驚いて声を上げた。

「それどころか、回復アイテムも料理も売ってくれません」

「えー?!」

「斜め上にHP(ヒットポイント)バー・MP(マジックポイント)バー・TP(テクニックポイント)バー、その下にEPと書かれたバーが表示されていますよね? それがEP(イートポイント)バー……満腹度なんですけど」

「EPはログインしている間、何もしていなくても少しずつ減っていきます」

「これが、戦闘すると、大幅に減るんですよね」

「だから、解りますね? 【料理】覚えている皆さん。安心して狩りをする為にも、急いで料理お願いします」

 「質問!」と手を上げた人が居た。

「採集用や生産用の道具は、売ってくれるんですか?」

「はい。サポート天使が採集用道具等を売ってくれます。生産は、五百ジェル払って『生産施設』に転位して貰ってください」

 このゲームの通貨はジェルか。

「ウエストポーチに手を入れるとアイテム欄が表示されます。所持金の欄に三千ジェルとありますね?」

 確かに。ジェルは特典は無いようだ。

「武器や防具の修理も、サポート天使ですか?」

「いいえ」

 銀河さんが否定した。

「なので、武器制作・防具制作のアビリティを覚えている皆さん。なるべく早くLv5にして、スキル『修理』を覚えてください」

「Lv5ですか……」

「まあ、あくまでβ版の話ですから。改善されている可能性も無い訳ではありませんし」

「色々改善要望出したんですけれどね。『Rank Fで良いので、料理とか薬とかサポート天使が売ってくれるようにしてください』とか」

「売って無かったし、修理もしてくれないし」

 何も変更してねーんじゃ……?

「そう言う事ですから、【薬】アビリティ覚えている皆さんも、お願いしますね」

「採集系アビリティ覚えている皆さんも、ご協力お願いします」

「あ……。あれ、言って無くね?!」

 ルートさんが慌てたように左右を見た。

「あ! 【陶芸】!」

 飛鳥さんが焦った様な声を上げる。

「このゲームって、料理しても自動で食器出現しないんですよ。なので、【陶芸】アビリティ覚えている皆さん! 食器お願いします! 食器無いと、料理売れませんので!」

 「えーー?!!」と今までの説明で一番驚いた様な声が、其処彼処から上がった。

「飛鳥さん達は、覚えているんですよね?」

 誰かが聞くと、六人とも一斉にあからさまに視線を逸らした。

「ちょっと!? 知っている上に特典でAP沢山ある人が、何で覚えてない訳?!」

 険悪な雰囲気の中、縋る様な視線が彼方此方から送られて来た。

「お、覚えてますから」

 【総合生産】のスキルに『陶芸』が有るのでおれがそう言うど、安堵の空気が広がった。


「あー。良かったー。あ、狩りに行く時の注意点ですけど」

 ルートさんが他人事のように言ったので、何人かが色んな突っ込みを入れた。

「同じモンスターでも、昼と夜とじゃ強さが違うんですよ」

 銀河さんが説明を続ける。

「昼はソロで大丈夫でも、夜はパーティを組まないと厳しいですね」

「夜の方が弱いモンスターもいますけどね。この辺りには居なかったかな?」

「ですから、パーティを組んで」

 此処で、あの男が戻って来た訳だ。



 たった五分ぐらい待ってれば、モンスターに()られねって済んだなさな。

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