旅の始まり
悪人を懲らしめる事になった、若者と大男だが
若者はどんな人物なのか。
これは、若者の過去の物語。
数年ほど前、とある村に不良少年がおった。
いつも弱いもの虐めばかりして、かつあげをしていた。
その少年は、大変母を困らせておった。
ある時、少年の母重い病にかかって死んだ。
この少年の父はすでに他界していた。
母が死んだ時、少年は湖ができそうなほど泣いた。
困らしていたいたとはいえども、母は母。
毎日悲しみで浸って、外にはでなかった。
もう母の残したお金がなくなった頃、
これからどうやって暮らそうかと考えていた時、
ふと母の死ぬ間際の言葉を思い出した。
「東の村の黄草先生に頼りなさい。」
母はそう言って息をひきとった。
悲しみでいっぱいだったので、その言葉などすぐに忘れた。
それを思い出した少年はさっそく東の村に行くことにした。
それを思い出した少年は、3時間後には東の村にいた。
ここの村は、住んでいた村とさほど変わらないと思った。
村人に黄草先生の家を聞き、母の遺言通り黄草先生を訪ねた。
黄草先生はひげは真っ白で頭も真っ白な老人だった。
「ほぉ、あの男のせがれか。
おまえは今日からわしの弟子じゃ。」
いきなりなんのことやらわからない。
だが、いく当てもないので弟子になるという事にした。
何の弟子だろう。まぁ、何の弟子にしろ、飯を食っていけるだけありがたい。
思わず何の弟子ですか?と聞いたら、先生は
「よいよい、ついてくればわかる。」
といっただけである。
ついていくと、道場があった。
武道をやるわけか。
先生の弟子は結構いるみたいだ。
皆、木刀を持っていた。
剣か。俺は剣を習うわけか。
まぁ、悪くわないと思った。
「早速、けいこをつけるぞ。
あ、あとおまえの名前は
商だ。」
かってに名前を変えられた。
無茶苦茶な先生だ。
傲慢な奴。腹立たしい。
こんな爺さんが先生と言えるのだろうか。
俺は最初から剣を使うのかと思っていた。
すると、
「商、木刀はまだ使うな。」
そう先生から言われた。
いきなり、他生徒が木刀で叩いてきた。
しかも、5人くらいだ。
「よい、よい。」
先生はそう言って微笑みながらこちらを見ている。
虐待としか思えなかった。
次の日も、次の日も叩かれ続けた。
皮はさけて、叩くところがなくなってきた。
これはいじめとしか思えない。
けいこではない。
母がなぜここを頼れと言ったのかがわからない。
まだ木刀すら握っていない。
いつもの様に、また叩かれると思って道場に足を運んだ。
見かけない顔を見た。新入生だ。
彼も俺と同じように叩かれるのか。
彼は予想通り、叩かれていた。
それを見たら、俺の足が動いた。
叩くのをとめようとしたのだ。
ボロボロの体で。
すると先生が
「よいよい。もうやめよ。」
と言った。
「おまえは、もう剣の極意の一部を知った。
わしの一番弟子と剣で勝負してみい。」
初めて木刀を握るというのに、いきなり一番弟子と。
ほとほとふざけた爺さんだ。
俺はこの爺さんの事は嫌いだ。
飯が食えるから、弟子になっているだけ。
しかたなく俺は一番弟子と勝負することにした。
不思議な事に、相手の木刀がゆっくり襲ってくるようだ。
気がついたら勝っていた。
「商、剣の極意は弱き者を助け、悪を討つじゃ。」
俺は剣の魅力に気がついた。
その頃から、普通のけいこができるようになった。
俺は剣のとりこになった。
嫌いだった先生も好きになった。
俺はもう弱い者をいじめなくなった。
逆に助けるようになった。
そして、数年この道場で暮らした。
先生は、俺に修行を与えた。
もうこの道場では、剣の極意はこれ以上教えれないと言うらしい。
「岩をさき、刀さえも斬る伝説の宝剣を探せ。
その剣に剣の極意がある。」
俺に先生はそう言った。
俺は道場を出て、宝剣を求めて旅をする事になった。
名も無き旅の剣豪の旅はこうして始まった。




