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手乗り魔女と異世界からきた弟子  作者: 若桜モドキ
森の中の生活編 -2-
25/74

25.庭の手入れ

 畑を拡張した。

 いろいろとお師匠が拾ってくるから、スペースが手狭になったからだ。

 一応、加減してくださいとは言ったんだけど……。


「……さすがに、木の苗は」


 僕の前には無造作に引っこ抜かれたままの、哀れな木の苗が三つほど。果樹は充分なほどにあるからとってこなくてもいい、と言った僕の言葉は右から左へ押し流されていったようだ。

 とりあえず開いたスペースに穴を掘って、いつものように苗木を植えていく。

 ……たぶん、本職の人がみたら激怒するか哀れむかのどっちかだろう。

 まさに『植えるだけ』だから。

 しかし僕にもお師匠にも、こっち系の知識はあまりない。一応、申し訳程度に肥料をたっぷりとやるので、それなりに成長して、それなりの数と味の実をつけてくれているけども。

 そんなの偶然運が良かっただけかもしれないわけで。


「だから持ってこないでほしいって、言ったんだけどなぁ……」

 三本目の苗を植えながらため息を一つ。


 ちなみにお師匠は家の中で、収穫したての果物の選別中だ。取れた果物は基本的に生で食べる用と、料理に使う用などに分けている。中途半端なのは、全部まとめてジャムにする。

 ジャムはパンに塗ったり、料理に使ったり。

 肉類のソースに使うとなかなか美味なものになる、とお師匠は言う。確かにフルーティでもとの世界で市販されていたソース類と、何ら変わらないおいしさの物に仕上がっていた。

 まぁ、肉なんてそうめったに手に入らないんだけど。

 なので基本はパンにつけて、時々ドレッシングに使うぐらいか。

 パン食なので結構消費が激しく、作っても作ってもすぐになくなってしまう。


「弟子くーん、お仕事終わったよーぅ」


 お師匠がぴゅーんと飛んできた。

「こっちも終わりました。じゃあ一息入れたら続きをしますか」

「そだねー。今日はセラがお茶を淹れるよー」

 僕の目の前でくるんとターンし、お師匠はまた家の中へと戻っていった。今いるのはちょうど家の裏手で、こちら側に面する扉はなく、窓から出入りできるのが少しうらやましい。

 僕は汚れた皮の手袋と、スコップなどを適当な場所に置いて歩き出す。

 かすかに紅茶と、焼き菓子をあぶったいい香りが漂ってきた。早く早くー、と僕をせかす声が窓の向こうから聞こえる。再突撃されないうちに、僕は慌てて家の中に戻った。

 そこにはヒトの姿のお師匠が、意味もなく魔法で茶器を浮かしつつお茶を淹れていて。


「さぁさぁ弟子くん、そこに座りたまえよ」


 得意げに笑う姿があった。

 そういうところがたまらなく可愛いなぁ、と思いつつ。そんな本音を知られたら大暴走されて理性が大迷惑なので、いつものように淡々と僕は椅子に腰掛けるのだった。

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