これは架空の話です ~連帯保証人になるということ~
これは架空の話です。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。なので笑い飛ばしてください。全力で。
n年前、わたしはは知人のマンション入居の連帯保証人を引き受けた。
なぜなら親族が関わっていたから。ここらへんはぼかしておこう。
当時、わたしは安定した職に就く花盛りキラキラOLだった。まだ童話の国メルヒェン村在住の銀髪碧眼13歳美ショタではなかった。それはもう愛らしかった。当時の写真を見ると目が潰れる。
責任の重さを理解した上で契約書に署名した。軽い気持ちで引き受けたわけではない。
だとしても。
それが、多くの年を経て後にこんな問題へと発展するとは、当時は想像もしていなかった。
その後、オーナーは何度も変わった。
不動産が売買され、管理会社も入れ替わり、最終的に現在のオーナーが引き継いだ。
わたしは最初の契約の連帯保証人として、ずっと名を残したままだった。契約書に書かれたわたしの年齢、ずっと見ていられる。
ある日、突然、家賃値上げの通知が届いた。らしい。入居者宅へ。
月額n千円のアップ。
理由は『近隣相場の上昇』。
説明は抽象的で、具体的な資料は示されなかった。
入居者が合意せず、正当な理由を求めると、それには答えず脅迫めいた文書が届けられたようだ。
それ以前に、数々のやらかしをしてくれている、現オーナー。よって、入居者のオーナーへの信頼は地に落ちている状態で、そんなことが起きた。
入居者は、当初、契約額でしか払わなかった。わたしもそれを支持していた。
が、
「どうして払わねえんだよ? あ? やる気か?」
をビジネス文章にし、かつやってもいない迷惑行為をなすりつけられ、入居者は怖気ついて差額を払ってしまったらしい。
それを伝え聞いたわたしは
「は? なんで払ったの? 新しい契約書書いてすらいないのに? バカなの? しぬの?」
と穏やかに言った。
さらに
「今後、差額分込みで払ったら、連帯保証人降りるから」
と穏やかに言った。
入居者は怖気ついた。
わたしは連帯保証人として間に入り、事実関係を確認し、実際に管理会社とやり取りし、
「これは、こじれる」
と直感的にわかったので、すぐに消費者センターへ一報を入れた。
そこで紹介していただいた弁護士さんともお話しし、入居者の主張が間違っていないことを確認した。数回の差額支払いのみで口約束もなく、書面もないのであれば、合意を主張するのは難しいとの見立てもいただいた。
わたしがそれをとりまとめ、入居者の主張を伝えた。
しかし。
現在のオーナーは、常識外れの強硬姿勢だった。
管理会社も「通知したし、差額を払ったから合意成立」と主張する。
オーナーは元の家賃額を「絶対に認めない」と頑なに言い張り、長年同じ金額で貸してきた過去の事情を一切考慮しなかった。
合意がないから法的に無理だとこちらから伝えても、
「(数回)差額を払ったから合意」、「今後従来額で払うと未払い扱いにする」、「調停も検討せざるを得ない」と。
センターの相談員さんが管理会社に電話をかけてくれた。
この時点で、わたしは疲れ切っていた。
ここに書けないいろいろが、ありすぎる。
相談員さんは、長い沈黙の後、言った。
「………………難しいね。これは」
最終的に「もう……増額でいい」と、入居者が決めた。
実力行使で追い出される可能性があるからだ。正直、それをやりかねない。
そこから出ていき、新たな場所へ移るには、入居者は高齢すぎる。
わたしは「そう」と言って、管理会社へその旨を伝えた。
苦い思いだけが残った。
本当に、大変だった。
連帯保証人は、
「家賃未払いのときだけ責任を負う」
と思っていた。
しかし、入居者が弱い立場の人の場合、矢面に立ってやり取りをしなければならない。
今回のわたしのように。
しんどい。
この話はフィクションです。
せめてチアーズプログラムでインセンティブ稼いで電気代の足しになれや! と思ってここに記します。




