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青いバラ

作者: 小池竜太

青いバラか・・・・のところ台詞少し苦労しました。

僕は花にあまりいい思い出が無い。以前、カサブランカと言う花にいい思い出があったことをどこかで書いた覚えがある。



 バラには美という意味があるという。美・・・・美に迷う人々もたくさんいる。




 僕も美に迷ったことが何度かある。僕は、一度とある美少女に会ったことがあるが、それはダヴィンチの絵にも劣らない素晴らしい美少女だった。



 ある日、僕は買い物の途中、ふと目にとめたバラの花束を買って家に持って帰った。家には父しか居ない。僕の父と母は、少し前に別れてしまっていた。



『ただいま』

『おかえり』

 そうなんてことのない会話が流れる。


 バラの花を部屋に生ける。ふとあの人はどうしているのかと、気になった。



 『死にたがり屋の人がいるのを知っていますか?』

『いえ』

『花は人のこころを慰めます。けれど、あなたには、その必要はない』

『うん。でも僕、たまたまこの花を見て・・・・・』

『バラは美といいますよね。でもね、愛と言う意味もあるんです。あなたのお父さんは、あなたを愛してくれたことがありましたね』

『それは・・・確かに』

『毎日、ご飯を作ってくれたし、子供のころから育ててくれましたね』

『うん』

『でも、あなたは・・・・』

確かに、僕はひどいことをしたことを覚えている。




 バラの花から目を離す。詩を書かなきゃな、と思う。



 バラの詩がいい。ふとそう思った。



 きれいな青空の元、僕はバラの花を買いに行った。

 それに名前を付けようと思ったが、バラは僕の手を刺し、ささやかな抵抗をした。


 バラ。赤いバラ。

 かつて僕は、青いバラを好きだったこともある。


 けれども、青いバラは死んでしまった。



 涙は流れないが・・・・僕は、またバラを生けようと思う・・・・



 よしこれでいいだろう。ふとこの詩を誰かに見せたいと思った。


 父に見せに行く。父は、『青いバラか・・・・』

 と言い、僕に詩を返した。





ふとチャイムが流れる。もうすぐ、夕飯だ。

「今夜は?」

「チャーハンだね」

 そう父が言う。


 もうすぐ、冬が来る。そうなればまた楽しいだろう。そうなれば、また・・・・・・・あの日に会えた彼女も姿を現すのだろう・・・・・

 



 

 

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