星の鍵
grokとリレー形式でファンタジーを書きました
grok
エリンディルの森の奥深く、星の光だけが届く静かな湖畔に、少年ルカは住んでいた。彼は「星紡ぎ」と呼ばれる、夜空の星を糸のように引き寄せ、布に織り込む不思議な力を持つ一族の末裔だった。しかし、ルカの力はまだ未熟で、星の光をうまく操れず、いつも布は途中でほつれてしまう。
ある夜、湖の上に奇妙な光が揺らめいた。それは星ではなく、まるで空から落ちてきた炎のような輝きだった。ルカが近づくと、光の中から古びた鍵が現れ、彼の手元にふわりと落ちてきた。鍵には「夜の扉を開け、世界を紡げ」という刻印がされていた。
突然、森の木々がざわめき、遠くから獣の咆哮が響く。ルカの胸に不安が広がったが、同時に鍵を握る手に熱い決意が宿った。「この鍵…何か大事なものに違いない。」彼は村の言い伝えを思い出した――「星の力を完全に操る者が現れたとき、夜の扉が開き、世界の秘密が明かされる」と。
ルカは鍵を握りしめ、湖畔を離れて森の奥へと足を踏み入れた。そこには、誰も踏み入れたことのない「影の小道」が広がっていた。木々の間から漏れる月光が、道の先に何か巨大な影が動く気配を示していた。
user
「 湖を離れるのかい星の子よ?」
ルカの肩に、真紅の鳥が舞い降りた。いつもちょっかいをかけてくる小鳥だ。
ルカは手で鳥を払いのけようとした。
「君には関係ない。僕がどこへ行こうと、僕の勝手だろ?君はずっとここに残ればいい。」
小鳥はルカの手をヒラリとかわし、ルカの周りを飛び回った。
「そういう訳にはいかないのだよ。…外には危険な世界が広がっている。君には想像のつかないほど、危険な世界がね。これは警告だ。一度出れば、簡単には戻れなくなる。それでも行くのかい?」
ルカは一瞬躊躇ったが、鍵を握りしめ、小鳥に宣言した。
「それでも行く。誰かが僕を呼んでる気がするんだ。」
小鳥はルカの目を見つめ、さえずった。
「なら私もついていく。君の母さんとの約束だからね。」
一人の少年と一羽の鳥は、並んで進み出した。
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