第3話:新人教育
さてさて、お仕事開始です。
あたしたち神の世界ではその力を使って自分の管理する世界を創生する。
そしてそれを他の神たちに見てもらい、賛同をしてもらうとサムズアップやお星さまなどをもらえる。
時にはコメントやレビューなどというものももらえて、それが沢山あればあるほど聖典になりやすい。
ちなみにここでいう聖典とは別名「書籍化」とも言う。
何はともあれ自分の作った世界を他の神々に見てもらい、評価してもらうのがこの神の世界の常である。
「さてと、担当のする新人たちの為にもあの神にお願いをしましょうですわ」
あたしはそう言いながら人事課の神にお願いに行く。
* * *
「こんにちはですわ。人事課の神様、ちょっと願いがありますわ」
「おや、いらっしゃい。芋けんぴん食べるかい?」
「あら、おいしそうですわね、いただきますわ」
この神は人事課ではあるものの、新米神用基本世界創世プログラムのオーブを作るのがうまい。
なので人にモノを教えることが苦手なあたしは協力を仰ぐ。
「今年から新しい教育プログラムが始まりましたわ。ですのでチュートリアル込みのオーブを作成してほしいのですわ」
「ふむ、そういえば上から今年から育成には教育係をつけるとか言っていたな、君がそうなのかい? だから女神の姿なのかな?」
「ええ、そうですわ。相手が新人の女神たちらしいのでですわ。ですので、いろいろと世界構築基礎プラグラムには分かりやすい形でお願いしたいのですわ。あ、お茶もありがとうございますですわ~」
お茶も入れてもらいながら芋けんぴんを食べる。
これ結構おいしいわね?
「わかった、やっておこう。しかし今の若いのはここまでしてやらんといかんのか?」
「時代は変わったのですわ。芋けんぴんとお茶、ごちそうさまでしたわ。それではお願いしますわね~」
あたしはそう言って人事課から出ていく。
さて、いったいどんな連中が来るのやら。
少し楽しみでもある。
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