第1章 04
ご飯は必ず、おかわりした。そうでもしないと、お腹が空くし、お腹がなる。
「あいつ、まじでデブだよな」
「ほんとそれ」
「あははっ まじでブタと見間違えたわ」
「小泉りょうたを、欲食う肥満に改名しろよw」
あぁ、またみんなは、自分の悪口で盛り上がる。男子も、女子も、嫌いだ。クソくらえだ。死んじゃえ――――くそが!
お腹が空くのは、生理現象だ。両親も、先生もそう言ってくれる。「虐めなんて気にするな」? そんなの、やられてもいないくせして、言われたくもない。お前らがそう言えるのは、虐められた事がないからだろう?
(ざっけんな くそ。)
今日も、嫌々登校した。そして、人生が終わる。
なぜだかは知らないけど、小泉くんのカバンからは、女子の下着が発見される。小泉くん自身、知らない。とは言うけど、誰も信じない。親にも伝えられ、先生も何してんだ!と言う。女子や男子の方を見ると、嘲笑っていた。あぁそうか。仕込まれたんだ。
小泉くんは、停学処分。下着の持主は同じクラスの女子だった。窃盗と、精神的な苦痛を与えたとして、停学になったんだ。
(ふざけてんじゃねーよ だれが、)
小泉くんは、口が滑ってしまう。
というか、最後だろ? 暴れてやる気持ちだった。
「ざっけんなよ!!!毎回!毎回!」
「は…?」
「ていうか、誰がアンタらみたいな」
「なにいってんだ このブタ」
「ブスの下着なんて盗みたいと思うか ばーか!」
この時、もう諦めて素直に停学だけでとどまっていれば、良かっただけの話だ。
男子生徒の膝は、小泉くんのお腹に、物凄い力を蓄え、力いっぱいに蹴られてしまったのだ。
「ブタ、まじ最低だな」
その一言で、死にたいと思った。
(サークルかあ……)
帰り道、お腹を抑えながら、スマホを見て、自分と似た子がいる事を、初めて知った。